欅坂46に学ぶ、若者の熱を社会貢献に取り戻す方法

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 最近、どうも日本の社会貢献やらCSRやらがつまらない。おもしろくない。まあ、僕の立場でそのようなことを言うと、「じゃあ、お前がなんとかしろよ」というお叱りの声が聞こえてきそうだが、それはまったくそのとおりだ。自分でもなんとかしなければと考えているが、その点に関しては今回はご容赦願うとして、社会貢献やCSRというものがなぜつまらなくなったのかを考察してみたい。さらにその考察を通して、「日本企業のCSRやNPOは、欅坂46に学ぶべきである」と論じたいと思う。

社会貢献の大ブレイクを起こした
東日本大震災

 CSRやNPOなどの社会貢献業界に対する僕の危機感――それは近年、社会貢献熱が冷めてきたように感じることだ。2000年代の後半から、日本でも社会貢献は確かに熱を帯びていたと思う。それはブーム到来の前兆につきものの、ある種の熱だった。僕もマーケティング屋として、数々の国民的ブームのまっただ中で仕事をしてきたからわかるが、あの頃はたしかに大きなブレイクの予兆があった。

 たとえば、ミスキャンパスやギャル男やギャルモデルなど、それまでNPOの世界では考えられなかったような人種が社会貢献の世界に入り込み、それまでにないユニークな活動を始めたこと。また、大学生がCSRやソーシャルビジネスに関心を示し、就職せずに社会起業家になる者が続出し、一流企業を辞めてNPO業界に身を転じるビジネスパーソンが出てきたことなど、ムーブメントと呼べる動きはたしかにあった。

 そして2011年、東日本大震災が起きた。国民の8割が寄付をしたという東日本大震災は、社会貢献の大ブレイクを引き起こしたとも言える。寄付だけでなく数多くの支援団体が生まれ、復興のために東北に移住した若者も数多い。これは、たんに津波被害や放射能被害のインパクトが大きかったというだけの理由ではないと思う。それまでふつふつと沸き上がっていた社会貢献熱が、震災を機に一気に噴出したのだ。それが、あれほどの熱狂的な支援活動につながったのだと思う。

 東日本大震災が社会貢献の一大ブームだったとすれば、あれから6年も経てばブームが沈静化することも、ある意味で仕方がない。ただし、問題なのは「社会貢献人口が減っている」ことだ。多くの人は誤解しているが、必ずしもブームが終わるとユーザーやファンが減るわけではない。もちろん、ブームの終焉とともにユーザーやファンが一時的に減ることはあるが、実は市場が形成される時というのは、むしろブームの後にユーザーやファンが増えるものなのだ。

 わかりやすい例がインターネットだ。90年代は大きなインターネットブームだった。しかし今では、誰もインターネットブームだとは言わない。ユーザーは段違いに増えているにもかかわらずである。つまりブームというのは、「絶対量」のことではなく、量が拡大する時の「加速度」のこと。そのあたりの理屈は長くなるので省くが、シンプルに言うとそういうことだ。さらに、ブームには終わった後でもユーザーを増やして社会に定着するものと、一気に収束してしまうものの2種類がある。そして社会貢献は、後者の「収束の危機」に瀕していると思われる。そのことを示す調査結果が、最近、博報堂から発表された。「2017年 生活者の社会意識調査」である。

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