純丘曜彰 教授博士 / 大阪芸術大学

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北朝鮮の首都、平壌で高層住宅街「黎明(れいめい)通り」の完成記念式典が13日、開かれた。これに対し、15日夕から、グーグルマップの画像付きで、これらの高層ビル群が片面だけを突貫工事で造り上げたハリボテである、とのツイッターが出回っている。

だが、これは、まったくガセのフェイクニュースだ。流布されているグーグルマップの画像は、平壌南部の「統一通り」のもの。「黎明通り」は平壌の東北部で、グーグルマップでも、きちんとした立体の高層ビル群を確認できる。この後、現在ではさらに多くの建物が増え、建設が進んだ。13日の式典は左上の交差点で行われた。通りの起点に、通りをまたぐシンボル塔が見える。

また、南の統一通りも、ハリボテというのは、間違いだ。グーグルアースで見ると、これできちんと、通常のマンションなどと同じ幅がある。ただ、それがおそろしく巨大で、30階近い高層で、日本の十棟分くらいが、隙間無く連なっている。

平壌は、大同江という川が天然の防波堤になっており、南に繋がる街道、川を渡る橋はたった一つだけ。これらの超巨大マンション群は、その対岸の橋頭堡としての役割を担っている。その主たる目的は、おそらく南部に対する防弾幕、とくに、レーダーを避けて低空から侵入するミサイルを防ぐためのものだろう。そして、いよいよ地上戦になったら、上から狙い撃ち。それどころか、北朝鮮側が国内、平壌南部で戦術核兵器を使っても、この巨大なコンクリの壁によって、首都の損耗を最小限に抑え込むことができる。

バカは相手を侮り自滅する。それとも、デマで世論を煽っているのか。なんにしても、こういう時節、流布されるのはウソばかり。なにか聞いても、そのまま人に垂れ流す前に、自分でできるだけ事実を再確認しよう。


by Univ.-Prof.Dr. Teruaki Georges Sumioka. 大阪芸術大学芸術学部哲学教授、東京大学卒、文学修士(東京大学)、美術博士(東京藝術大学)、元テレビ朝日報道局『朝まで生テレビ!』ブレイン。専門は哲学、メディア文化論。著書に『アマテラスの黄金』などがある。)