路上をさまよっていた3歳児、通行人に助けを求める(出典:http://www.derbytelegraph.co.uk)

写真拡大

子供への虐待が家庭内で行われていても、本人が声をあげない限り周りが知る術もないことは大いにあり得る。しかし昨年3月、偶然目にした通行人の女性が救助の手を差し伸べたことで、3歳男児の生活状況が少なからず改善されたようだ。このほど行われた裁判で詳細が明らかになったことを英『Derby Telegraph』など複数メディアが伝えている。

英ダービシャー州シェブルックの路上で昨年3月、全裸の男児が車の走行する道路を行き来する姿を子供連れの女性が目を留めた。

男児に「ママは?」と訊ねると「ママはいつも寝てる。おばちゃん、一緒についていってもいい? 僕を助けて」という返事が返って来たため女性は男児が置かれている危険な状況を察し、すぐに警察に通報した。

自宅からいなくなった男児を捜していた母親は男児を見つけ、警察官が到着する前に家に連れ帰った。しかし道に迷い通りをさまよっていた男児は、交通安全の意識など全くない様子であった。しかも腕や脚が糞便にまみれ、痩せ細り顔色も悪く全裸状態であったことを通報者の女性から聞いた警察は、福祉サービスのスタッフと共に男児の自宅を訪れた。そこで目にした男児は、糞便は洗い流されていたものの全裸でコートに包まり眠っていたという。男児のベッドには嘔吐物が入った箱が置かれてあり、部屋には下痢をしたとみられる痕跡もあったことから母親を育児放棄とみなし逮捕、起訴した。

ダービー刑事法院で、ジョナサン・ベネット判事は「当時、男児の母親が交際相手との間に何らかの問題があり母親は精一杯の状態だったことは認めるが、裁判所の義務は社会で最も不安定で傷つきやすい人々を守ることであり、この男児は特にそのような状態だった」と述べ、今回の件を「恐ろしい出来事」として母親に懲役6か月の判決を下した。

この母親を担当したエマ・コーヴリー弁護士によると、母親はすでに交際相手と別れており状況は幾分改善しているという。この判決を受けて英国児童愛護会のスポークスマンは「この男児には、与えられるべき必要なケアが全くされていなかった。どんな子供もぞっとするような状況下に置かれるべきではありません。この件では通行人の機転により最悪のケースを免れましたが、育児放棄されている子供を保護するための介入は、地域ぐるみで行わなければなりません。不審なことがあればいつでも連絡して頂きたい」と話している。

出典:http://www.derbytelegraph.co.uk
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)