東京で生きづらさを抱えながら暮らす若者2人のラブストーリー

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 石井裕也監督が最果(さいはて)タヒさんの詩集を映画化した「映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ」の完成披露上映会が4月17日、東京・新宿ピカデリーで行われ、石井監督と共に、ダブル主演を務めた石橋静河と池松壮亮、共演の田中哲司、松田龍平が上映前の舞台挨拶に立った。石井監督は「自信作ができました。皆さんの感覚のどこかを刺激するような、新しい恋愛映画。脳みそや感性、感受性を総動員して見て頂きたいです」とアピールしていた。

 同作は、石井監督が最果さんの同名詩集の世界観を基に、排他的な東京で生きづらさを抱えながら暮らす若者2人のラブストーリーとして脚本を完成させた意欲作。2017年の東京を舞台に、看護師として働く傍ら、夜はガールズバーに勤務する美香(石橋)と、死の気配を常に感じている日雇い労働者の慎二(池松)の出会いと恋の始まりを描き出す。本作の鑑賞前と後では「渋谷の街並みの見え方がガラリと変わっていた」と明かした田中は「東京もいいなって思えるような素敵な映画です」と初タッグを組んだ石井監督の手腕を絶賛した。

 俳優の石橋凌と女優の原田美枝子の次女であり、本作で映画初主演を果たした石橋は「石井監督はものすごく色々な物事を見ている方で、レベルの高いものを求めていました。自分には技量も経験もなかったのですが、どうにか石井監督の思いに応えたいと思って、戦っていました」と告白。撮影中は「もっと戦え」「もっと頑張れ」と石橋に言い続けてたという石井監督は「(石橋は)女優としてはどっしりとしていましたね。全然へこたれないで堂々としていた」と最大限の賛辞を贈っていた。

 石井監督作「舟を編む」にも参加した松田が「今の石井裕也の近くにいたいなと思っていた時のオファーだったので、運命みたいなものを感じざるをえない」と語ると、「ぼくたちの家族」「バンクーバーの朝日」に続いて石井組3度目の参加となった池松は「人の思いや死が置いていかれる時代に、誠実な男の役をもらえたこと」に感動した面持ち。「“今の自分が生きていることの気分”を映画として表現してもらえたような気がして、すごくホッとしました。本当に良い映画が出来たと思います」と思いの丈を述べていた。

 また、この日はタイトルにちなみ「東京を色で表現するなら何色?」という質問が投げかけられると、石橋は「透明」と回答。「色んな人がいて、色んな場所がある。たとえ同じ場所でも、そこにいる人や空気の感じによって、雰囲気が変わってしまうから」と理由を述べていた。「映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ」は、5月13日に東京・新宿ピカデリー、渋谷ユーロスペースで先行公開、5月27日から全国順次公開。