マストドンという名前は、実在の古代生物のマストドンを元ネタにしているという。ツイッターのシンボルが小鳥なのとは対照的だ。(c) 123rf

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 ここしばらく、ネットを賑やかせている新たな話題がある。「マストドン」である。MIXI、Twitter、facebookなどと同じ、SNSの一種だ。最近、日本でもにわかに注目され、「もしや、ポストTwitterでは?」とまで言う向きもある。果たして、マストドンは国際的SNSの新たなスタンダードの一角となることができるのだろうか?

 観念だけで話をするのも難しいので、筆者もさっそく、マストドンにアカウントを作ってみた。フォロー、フォロワーという概念があり、表面的にはツイッターに似ているというか、これは表面的なシステムの面についていえば酷似していると言っていいだろう。「返信」「リツイート(マストドンではブーストという)」「お気に入り」「ミュート」「ブロック」「通報」などなど、ツイッターで見たことのある機能ばかりが並んでいる。

 ちなみに、ツイッターでツイートに当たる用語は、「トゥート」である。ゾウ(マストドンだからゾウである)の鳴き声の擬声語であると称しているが、どう考えたってこれも、ツイートという言い回しのもじりであろう。「パオる」などの言い回しも考案されているようだが、これはおそらく日本語圏固有のものだと考えられ、定着するのかどうかは分からない。

 ただ、マストドンとツイッターはシステムは似ているが、決定的に違うのは運営思想である。大雑把なことを言えばツイッターを運営しているのはツイッター社であるが、マストドンはマストドン社が運営しているわけではない。マストドンは、その気になれば、誰でもマストドンのサーバを立て、運用することができる。ツイッターはありとあらゆるユーザーが一つの世界を共有しているが、マストドンでは、サーバごとに異なる世界(インスタンスと呼ばれる)が存在する。

 他のSNSでいえば「グループ」機能に近いという声が多いが、筆者は個人的には「2ちゃんねるに似ているのではないだろうか」という気がしている。ちなみに2ちゃんねるでは、世界分けを「板」と呼んでいる。

 さて。よくも悪くも問題なのはこの点である。誰でも、ということはつまり、悪意ある人間にもマストドンのサーバを立てることはできる、ということである。マストドンのインスタンスは既に数百が作られているそうだが、それぞれに管理者がいて、独立に運用されている、ということだ。その信頼性は何によって担保されるのだろうか?正直なところ、筆者はマストドンの未来について、一抹の不安を感じざるを得ない。