敗戦後も声を枯らしてチャントを歌ってくれたサポーターには、ただただ感謝。想いに応えられず、申し訳ない……。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

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 仙台の渡邉晋監督による現役指揮官コラム「日晋月歩」の第6回。テーマは「前進」だ。5節・川崎戦(0-2)、6節・浦和戦(0-7)、7節・鹿島戦(1-4)と3連敗。そんな苦境にも屈さないために……。サポーターへの感謝を何度も口にした渡邉監督に、今のチームが取り戻すべき意識を語ってもらった。――◆――◆――[J1リーグ7節]仙台 1-4 鹿島/4月16日(日)/ユアスタ まず、サポーターへの感謝を伝えたい。0-7と大敗した浦和戦の後もずっとチャントを歌ってくれて、昨日の試合後もずっと声を枯らしてくれていた。その期待に応えられずに申し訳ないという言葉しか出てこない。 チームが結果を残せていない時にブーイングをされるのは仕方のないことだ。それでも、「俺たちが付いているぞ」という後押しは、本当にありがたかった。 浦和戦後は何を言われても仕方ないと考えていた。そして今回は前半で0-3だから、「何をやってんだ!」とサポーターが思うのも当たり前。フラストレーションは溜まるに違いない。それでも、そういった想いをコールに変えてくれた。だからこそ、今は悔しさと歯がゆさが強い。 もちろん、サポーターの「どんな状況に置かれても励ましてくれる」という現在の対応に甘えてはいけないことは、重々承知している。プロとしての自覚と責任を持って、戦いに臨まなければと改めて深く感じている。 5節・川崎からの試合は「強豪3連戦」とも言われていたが、昨季も同じようなタイミングで手強いクラブと対戦。その時は4連敗(第1ステージの4節・名古屋、5節・広島、6節・G大阪、7節・浦和)してしまった。 今季の日程が発表された時に「昨季の轍は踏まない」、「『今季は違う』というのを見せてやろう」という気持ちが強く、チームの力を試し、「何がやれるか」、「どれくらい勝点を取れるか」に挑戦した。 結果的には3連敗。しかし、これを受けて「成長や進歩がまったくない」と考えるつもりはない。凹んでいようと次のゲームはやってくるわけで、3つの敗戦を糧にして前に進もうと思っている。


 今回の敗戦で特に思ったのは、「前への意識」が薄れてしまっていることへの危機感だ。今日の練習でも、選手たちにはそのことを伝えた。試合後の公式会見でも話したが、後ろで繋ぐことを奨励はしていない。なぜボールを下げるのかを、全員が理解し、共有する必要がある。 すべては前に進むため、相手のゴールを陥れるため。ボールを受けようとして下がってくるのは前進するための布石だ、ということ。それを今は忘れかけてしまっているのではないかな。勇気を持ってポジションを取らずに、すべてが後ろ向きになれば、プレーも同じになってしまう。 守備についても、「背後を取られたくない」、「背後を取らせない」という形でやってはいるが、腰が引けてしまい、ボールホルダーに対して誰もアプローチに行かないのでは意味がない。人が余っているのに出て行かないのは、仙台の守備ではない。 振り返ってみると、浦和戦はすごくショッキングな敗戦ではあった。しかし、立ち上がりなど、前への意識を持てていた時間帯は確実にあった。チャレンジした結果、として受け止めることはできる。 昨日の試合、特に前半はその姿勢がまったく見えなかった。チームにとって良くないことだと認識しているし、ハーフタイムにもそのことに関しては一喝した。後半に少しは変われたから、次につながるのかもしれない。 攻撃でいえば、強気なポジショニング。そして、ボールを前へと運ぶこと。それは相手が嫌がることで、それを繰り返せば流れを掌握できるだろうし、結果にも直結するはず。「なんとなくボールを握っている」、守備では「なんとなく人数は揃っている」では怖くない。 今は、前への意識を取り戻すことがチームを前進させるために必要で、もちろん目の前の結果を掴むためにも不可欠。一喜一憂せずに、粘り強く、トレーニングもゲームもしっかりやっていく。それが大切だ。構成●古田土恵介(サッカーダイジェスト編集部)※渡邉監督の特別コラムは、J1リーグの毎試合後にお届けします。次回は4月22日に行なわれる8節・広島戦の予定。お楽しみに!