浦和戦は無念の完封負け……。写真:サッカーダイジェスト

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[J1・7節]FC東京0-1浦和/4月16日/味スタ
 
 FC東京の入りは悪くなかった。前田と阿部の2トップがハイプレスを仕掛け、それに連動する形で中盤、最終ラインの4人も危険なスペースを潰した。開始1分には戸惑う浦和を横目に、阿部がGK西川と1対1になる決定機を迎えるなど流れを掴みかけていた。
 
 大久保とP・ウタカがコンディション不良ということもあり、この日のFC東京は“守備的なメンバー”で浦和戦に臨んだ。MFの中島、左SBの太田を外し、ハードワークに定評がある東、徳永を起用した点からも「守り勝つ」という意図が見て取れた。
 
 しかし、開始直後のビッグチャンスを逃すと、14分には文字通りのカウンターから先制点を決められてしまう。R・シルバの絶妙なスルーパス、興梠の華麗なフィニッシュは確かに素晴らしかったが、あまりにもあっさりやられた印象もある。守備的なスタンスで入ったにもかかわらず、やってはいけないゴールを与えてしまったのだ。
 
 個人的に違和感を覚えたのが、試合後の篠田監督のコメントである。
 
「去年の敗戦と比較すると、しっかりと90分間、意図を持って戦えた。逆に守備ブロックを作られた時に、崩すプレー、パス、ドリブル、クロスと上手くいかなかった部分もある。ポジティブだったのは1失点で試合を進められたことでした」
 
 篠田監督が「ポジティブ」と言ったのは、前節の札幌戦と比べてという前提がある。とはいえ、札幌戦も浦和戦も同じ1点差負け。決して浦和戦の内容も、記者席から見るかぎりポジティブなものに映らなかった。
 
 0-1となった時点で、FC東京に求められたのは“挽回力”。この劣勢をどう跳ね返し、ひっくり返すか。要するに、守備のバランスを崩さず、どうゴールを奪うかだった。しかし、札幌戦と同じくリードされた後の攻撃には迫力も工夫もなかった。
 
 FC東京の攻撃で欠けているファクターが、いわゆる3人目の動きだろう。足もとにボールをもらうプレーヤーが多く、守る側とすればそこまで怖くない。事実、鳥栖戦後に大久保もこう言っている。
 
「ボールホルダーのことをみんな見ているだけだから。攻めれないなら、ミスを突く、セットプレーで取るとなるけど、それは今までのFC東京。変わりたいのなら、チャレンジしないと、してほしいね。なんというか、最後のところで逃げのパスになっている。思い切りがない」
 永井、阿部、東と機動力に優れたアタッカーがいるにもかかわらず、流動的なアタックを仕掛けられないのは、それぞれボランチとの距離が遠いせいでもあるだろう。橋本と梶山の2ボランチが守備的に振る舞っているのなら、やはり点を取られてはいけなかった。
 
 重厚なアタックを仕掛けられない現状でFC東京が勝機を見出すにはカウンターしかなかったが、それを相手にやられてしまったのが浦和戦だった。FC東京がやるべきサッカーを、この日は浦和が実践したということだ。「内容はどうあれ、こういう試合をモノにできたことが大きい」という興梠のコメントは的を射ている。

 果たして、ファン・サポーターの目に浦和戦のFC東京はどう映ったのか。篠田監督が言うように「ポジティブ」だったのか、それとも……。
 
 川崎戦までボランチを担っていた郄萩がその後に負傷離脱してから、鳥栖戦の負けに等しい引き分け、札幌戦の敗戦、浦和戦での大久保とP・ウタカが欠場、そしてリーグ2連敗…。負の連鎖に陥っているFC東京を、篠田監督はここからどう立て直すのか。リーグ優勝を狙うためには、ここからまさに“挽回力”が求められる。

取材・文:白鳥和洋(サッカーダイジェスト編集部)

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