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携帯電話からスマートフォンへの乗り換えはなかなか難しい、そう考える消費者のために10キーを搭載した携帯電話スタイルのスマートフォン、いわゆる「ガラホ」が日本でも人気だ。見た目は携帯電話なのに、中身はAndroid OSを搭載しているため、スマートフォン向けアプリを入れることのできる製品も多い。

このガラホが最近は海外でも少しずつ増えている。海外は元々日本ほど携帯電話を使ったインターネットサービスは普及せず、ショートメッセージ(SMS)と通話だけでも連絡は事足りることが多かった。今でも携帯電話(非スマートフォン)でメールを使わない人も多い。

だが周りの人がどんどんスマートフォンに買い替えていくと、FacebookやTwitterなど、SNSを使う必要性が高まってくる。最近の携帯電話ではそれらのサービスが使えるものもあるが、動作は遅く文字や写真も綺麗に表示されないとあって、使い勝手は悪い。

そこで登場したのがガラホである。しかもここ最近海外で売られているガラホはきちんとLTEに対応しており、高速通信も可能だ。低価格な簡易的なスマートフォンと思いきや、画面サイズが小さいことをのぞけば、それなりに簡易スマートフォンとしても使えるのである。

このガラホが出てきたのには他の背景もある。携帯電話メーカーはもはや従来型の携帯電話を作っても儲からないのだ。ストレート型の2Gの携帯電話は、今や1,000円ちょっとで売られている製品があるほど。売値がこれでは利益など無いに等しいだろう。

しかしガラホの価格はその数倍以上。今、携帯電話を使っている消費者ならばガラホにも目を向けてくれるだろう。メーカーとしては今までと同じ使い勝手、すなわち簡単に使えて、なおかつスマートフォンユーザーともコミュニケーションが取れる点をアピールして、ガラホを売り込もうとしているのだ。

筆者も先日(2017年3月)にギリシャのアテネを訪れたところ、家電量販店にガラホを発見。実際にその場で年配の方が店員に操作を聞いている姿を見かけた。価格が100ユーロを越えていたことから購入はしなかったようだが、10キーである程度の操作ができる安心感からかなりの興味を持っていたようだ。

そのガラホが気になって実際に買ってみた。メーカーは地元系のMLSというところで、製品名は「Easy S」。簡単ストレート、という意味かも知れない。ディスプレイは2.8インチ240×320ピクセル、クアッドコア1.6GHz CPU(MT6735M)にメモリ1GB、ストレージ8GBのエントリークラスの製品だ。カメラは320万画素と簡単なスナップを撮るには十分だろうか。LTEにも対応しているため、YouTubeなどの動画は結構高速に再生してくれそうだ。

また簡単操作できるように、独自のUIがかぶせられている。実は設定メニューの言語に日本語もあったので変えてみた。しかしUIはギリシャ語のままなので、これでは読めない。これでお手上げかと思いきや、画面を下にスクロールすると英語のアイコンメニューが出てきて一安心した。なおラジオだけはなぜか日本語になっている。

設定画面を呼び出すとAndroidそのもので、この端末がスマートフォンであることがわかる。アイコン画面に戻ると、英語アイコンも独自UIの延長で、さらに下にスクロールしてAndroidの標準アイコンが表示されるとそちらは日本語に。ひとまず日本人が買って使うこともできそうだ。

本体の質感は若干安っぽく、このあたりはコストをかなり下げているのだろう。とはいえ大型のタッチパネルを搭載しているわけではないので、プラスチックボディーでも問題は無さそうだ。またショートカットボタンも備えており、左選択キーの長押しでカメラ、#キーの長押しで本体上部のライトが点滅する。いずれも画面ロックがかかっても使うことができる。

実は筆者は海外でガラホを見かけるとついつい買ってしまう。通話用にするのはもちろん、海外の現地SIMを入れてテザリングをONにしてWi-Fiルーター代わりに使ったりしているのだ。ということでスマートフォンを使っているユーザーでも、もう1台のサブ用途としてガラホを持っていると意外と便利かもしれない。日本ではMNOキャリアがSIMロック付きのガラホを出しているが、端末メーカーからSIMフリーで低価格なガラホがでてくれば、2台目、3台目需要として意外と売れるのではないだろうか?

(山根康宏)