テレビゲーム『ロマンシング サ・ガ』(通称・ロマサガ)シリーズと池袋。この組み合わせを聞いてピンと来る読者の方も多いと思います。ロマサガ2に登場した7人のボスキャラ・七英雄の1人ロックブーケの名前の由来ですね。そのロマサガが池袋にやってきました!ロマサガ3(1995年発売)が舞台化されたのです。タイトルは『ロマンシング サガ THE STAGE 〜ロアーヌが燃える日〜』。公演スケジュールは記事下部にて紹介。

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 私はロマサガ3のストーリーについて2013年5月14日に「【傑作ゲーム探訪】ロマンシング サ・ガ3」という記事で解説したことがあったのですが、ロマサガ3のストーリーの特徴を一言で言うと、紀元前300年から聖王暦316年(聖王暦はゲーム中世界の暦)までの616年間の歴史の記録であり、ゲームで描かれたのは聖王暦316年という現在の出来事のみとなっています。
 それ以前の出来事はゲーム中の台詞や回想シーンで断片的に語られるか、複数出版された攻略本で説明される形となっており、プレイヤーが頭の中で断片的な情報と情報を結び付けて自ら考えないと歴史の流れが理解できない形となっていました。ロマサガ2のストーリーもこのパターンでしたが、ロマサガ2の場合はゲーム中の台詞のみを結び付けることでストーリーを理解できたのに対し、ロマサガ3は攻略本の説明が加わる為、この傾向により一層の拍車がかかりました。

 そこで舞台版ロマサガ3は、10年くらい前から本篇をスタートし、ゲームの時点(聖王暦316年)におけるストーリーを補完しています。特に、ゲーム中世界における政治的大事件であるにも拘らずゲームでは回想シーンで触れられる程度だったメッサーナ内乱を、時間をかけて描いています。メッサーナ内乱の主要登場人物でゲームの時点では既に亡くなっているキャラクターも舞台版に登場します。これは、舞台版ロマサガ3の主人公であるハリードが、メッサーナ内乱の主要登場人物であるルートヴィッヒと因縁浅からぬ仲であることが原因です。同時に、メッサーナ内乱を時間をかけて描いた結果、ゲームでは脇役だったシャールが舞台版では主要登場人物に躍り出ています。

 さて、本作の最も優れた点は、ゲームのロマサガ世界を高いレベルで現実世界に再現している点です。それが可能となった要因として、まず適材適所で集められた俳優陣のレベルの高さが挙げられるでしょう。元宝塚歌劇団、元モーニング娘。、グラビアアイドル等の幅広い分野から、その役を3次元で再現できる人材を集めています。これは、ロマサガ3のゲームにおいて宗教家やらエビやら商人やら術師やら旅先で出会った世界中のキャラクターをパーティーに加えたことを彷彿とさせまさす。そして俳優陣が身に纏う衣装も豪華で見事です。

 ロマサガシリーズといえば戦闘で繰り出される技も見所の1つですが、その点もちゃんと再現されています。ゲームでは技を繰り出す時にキャラクターがいちいち技の名前を叫ぶんですが、あのシーンは意外に演劇とマッチしまして、舞台版で俳優が技を繰り出す時にいちいち技の名前を叫ぶのが、見せ場としてビシッと決まっています。舞台上のスクリーンには技の視覚効果が投影され、ゲームの技を舞台上に再現しています。

 ロマサガシリーズではキャラクターの頭の上で電球がピコーンと光り技を閃く場面がありますが、舞台版でもこのシーンを完全再現。観客が爆笑していました。
 この他、私が注目したのは、演劇が始まる前に行われる説明、いわゆる前説を吟遊詩人が行ったことです。ロマサガ2のオープニングは吟遊詩人が歴史を語るところから始まるんですが、舞台化されたのはロマサガ3ではあるものの、前説はロマサガ2のオープニングそのものです。

 以上を纏めると、舞台版ロマサガ3は俳優陣の演技、衣装、技の効果等によって、ゲーム中の世界を見事に現実世界に再現することに成功したのです。

 最後に1点だけ申し上げますと、ロマサガ3は紀元前300年から聖王暦316年までの616年間の物語がゲーム中の台詞や各種攻略本の説明で既に構築されているにも拘らず、後にブラウザゲーム『インペリアルサガ』で聖王と巨竜ドーラのエピソードがゲーム化されるなどはしたものの、それらが1本の作品として纏められていないのは非常に惜しい。是非616年間の物語をアニメ化してほしいものです。

東京公演
2017年4月15日 〜 2017年4月23日
於いてサンシャイン劇場

大阪公演
2017年4月28日 〜 2017年4月30日
於いてサンケイホールブリーゼ

愛知公演
2017年5月3日 〜 2017年5月4日
於いて愛知県芸術劇場大ホール

福岡公演
2017年5月6日〜 2017年5月7日
於いて久留米シティプラザ ザ・グランドホール

・参考:ロマンシング サガ THE STAGE 〜ロアーヌが燃える日〜(公式サイト)

(コートク)