腸内環境について語られる場では必ずといっていいほど登場する、善玉菌と悪玉菌という言葉。テレビコマーシャルでも、悪玉菌を減らし善玉菌を増やす乳酸菌飲料などが紹介されてはいますが、具体的に善玉菌と悪玉菌がどのようなものかをご存知でしょうか?善玉菌だけが良いもので、悪玉菌はいらないもの。こう思っている方は間違いです。このように思っていた方のために、善玉菌と悪玉菌の正体と違いについて紹介したいと思います。

善玉菌と悪玉菌の正体とは

まず善玉菌と悪玉菌が具体的にどのようなものであるかを見ていきましょう。善玉菌とは、腸内で良い働きをしてくれる菌類を指します。具体例としては、よく耳にする乳酸菌、ビフィズス菌等がこれに該当し、整腸作用や免疫力アップなどが期待できます。ちなみに善玉菌には腸内を酸性にしようとする働きもあるようです。次に悪玉菌ですが、悪玉菌は腸内で悪い影響を与える"こともある"菌類を指します。具体例としてはブドウ球菌、大腸菌などがこれに該当し、腸内の腐敗や有害物質生成といった働きがあるようです。ちなみに腸内を酸性にしようとする働きもあるようです。こう見ると、善玉菌とは対照的で、悪玉菌は悪いだけの菌じゃないかと思われがちですが、実際のところ完全に悪者というわけでもないのです。

悪玉菌も腸内に必要な菌

悪玉菌は意外や意外に、腸内を守る役割も果たしてくれているのです。わたしたちの腸内には時に、非常に危険な病原菌などが進入してきます。これら危険な病原体の進入を本格的に許すと、わたしたちは感染症を発症してしまいます。この流れに待ったをかけるのが悪玉菌です。悪玉菌は腸内に進入してきた危険な病原体を攻撃し、排除してくれます。つまり健康な腸内環境の維持には、悪玉菌の存在も欠かせないということなのです。日頃は悪いことをしているのに、ここぞというときに活躍してくれる悪玉菌。まるでドラえもんのジャイアンのような存在ですね。

善玉菌も悪玉菌もバランスが大事

役割は対照的でどちらも必要となる善玉菌と悪玉菌でありますが、健康な腸内環境を保つには、各細菌のバランスが非常に重要となります。善玉菌と悪玉菌とは別に、どちらにも属さない日和見菌という菌類もありますが、これも加味すると、適切な腸内細菌バランスは「善玉菌:悪玉菌:日和見菌=2:1:7」となっているようです。一見正義と悪者というように認識されがちな善玉菌と悪玉菌。どちらもバランスよく存在しているからこそ、わたしたちの腸内は適切な働きを維持できるのですね。


writer:サプリ編集部