世界でも存在感を示している羽生結弦【写真:Getty Images】

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世界新で他国の国旗も持参、米メディア「素晴らしいスポーツマンシップ」

 羽生結弦(ANA)が世界選手権で3年ぶりの王者に返り咲き、クライマックスを迎えたフィギュアスケート界。世界に存在感を示し、選手に声援を送るファンにとっては誇らしいシーズンとなったが、その日本人のファンに対して海外で称賛の声が上がっている。海外での観戦マナーについて、米メディアが「素晴らしいスポーツマンシップ」と報じた。

 米スケート専門メディア「アイスネットワーク」は「2016-17年シーズンから見える10の観測」との特集を組み、今季のフィギュア界を総括している。採点システムや米男子の若手の台頭など競技に関する話題を挙げて考察。その項目の一つに日本人ファンの行動について取り上げている。

 日本の若手選手が躍進した今季について「スケート界が新たなファンを必要としているタイミングで、日本人スケーターが成功することほど素晴らしいことはない」と言及。その上で、羽生がフリー歴代世界最高得点で優勝した世界選手権(フィンランド)のファンの行動に触れた。

「昨年のボストン同様、日本人ファンはヘルシンキに押し寄せた」と振り返り、遠くヨーロッパまで応援に駆け付けた多くの日本人ファンがいたことを紹介。着目したのは、ファンが手に持っていた“ある物”だ。

「国際スケート連盟は『ドウモアリガトウ』と何度も繰り返し伝えるべき」

「母国の国旗だけではなく、他国の国旗も持参し、素晴らしいスポーツマンシップに溢れた観戦を行った」

 日本の選手のみならず、アメリカ、カナダ、中国、ロシアなど、あらゆる国の選手が世界一を目指して一堂に会し、しのぎを削る公式戦。日本人ファンは自国の国旗だけでなく、他国のものまで持って観戦していたといい、その精神が心を打ったようだ。

「彼らに対して、国際スケート連盟は『ドウモアリガトウ』と何度も、何度も繰り返し伝えるべきだろう」

 そう締めくくられた記事では、世界最高点をマークした羽生についても取り上げて賛辞を送り、日本に関する項目を2つピックアップ。羽生の偉業を当時見守っていたファンも、同じように称賛を浴びる形となった。

 来年は韓国・平昌五輪が控え、さらなる盛り上がりを見せることが予想されるシーズン。米メディアに注目されたスポーツマンシップあふれる日本人のマナーは、華やかなリンクを盛り上げる上で大事な役割を担ってくれそうだ。