連続テレビ小説「ひよっこ」(NHK 総合 月〜土 朝8時〜、BSプレミアム 月〜土 あさ7時30分〜)第2週「泣くのはいやだ、笑っちゃおう」第12回 4月15日(土)放送より。 
脚本:岡田惠和 演出:黒崎博


12話はこんな話


実(沢村一樹)のお土産のマッチを手がかりにすずふり亭を訊ねた美代子(木村佳乃)は鈴子(宮本信子)と省吾(佐々木蔵之介)が親切にしてくれる。

蒸発人間


↑このネーミングに「なんだか悲しい言葉ですね」と増田明美さん。ほんとうに。
1960年に「ガス人間第一号」(本多猪四郎監督)という映画が公開されていますが、“○○人間”って五感が馴染む時代だったのでしょうか。「人造人間キカイダー」は72年にはじまっています。
ともあれ、1万人近いひとが出稼ぎに東京にいっていなくなっていたなんて、60年代の東京、おっそろしい。
だからって東京も捨てたもんでもなく、青年警察官の綿引正義(竜星涼)が同郷(いばらき)のよしみで、実探しを手伝ってくれると言う。

すずふり亭の鈴子と省吾も美代子に優しい。牧野母子は天使のようだ。
谷田部と名乗っただけですぐにわかるし、おまんじゅうのお礼も言う。
会ったことのある人を忘れないことは客商売の基本とはいえ、人情にあふれまくりだ。

「失踪なんかじゃないですよ、絶対」ときっぱり言い、鈴子と目配せしながら励ます省吾。
夕ご飯もすすめる。
でも、主人がいつか家族みんなでこちらに伺おうって言っていたからと辞退する義理堅い美代子に、
駅まで別の店のお弁当(お稲荷さん)をもってやってきて、始発まで待つ間(女ひとり夜中に駅にいるなんて危な過ぎる、美代子まで蒸発したら目も当てられない)、おしゃべりして時間を潰す。
こんなに優しくされたら、泣くー。
優しくされたら嬉しいし、自分もひとに優しくしたくなるってものだ。

お稲荷さんはやはり赤坂、豊川稲荷東京別院なのだろうか。
まい泉のカツサンドに続く業界軽食の定番は六本木のおつな寿司だが、油揚げが裏返しになってるようには見えなかったから違うだろう(どうでもいい情報)。

泣くのはいやだ、笑っちゃおう 進めー


楽しくおしゃべりしている美代子と鈴子のカットに、みね子(有村架純)のかぼそい歌がかぶる。
眠れなくて、歌をたぶん脳内で歌っているのだろう。
苦しいこともあるだろさ 悲しいこともあるだろさ に入る間のちょっと長いところがみね子の
苦しさ悲しさを感じさせる。

翌日、みね子が学校から自転車飛ばして帰ってくると、お母さんは帰ってきていて農作業をしてた(働き者ー)。
「おかえり」「ただいま」を交わし合う母子。
遠くにお祖父ちゃん(古谷一行)。
そして
美代子「みね子」
みね子「はい」
そして、続く、だなんて。心がざわざわします。

かなりしんみりの第2週だったが、第3週は聖火リレーで盛り上がりそうです!
(木俣冬)