快眠を目指す皆さん、日々よく眠れていますか?今回は銀行勤務・近藤あかりさん(仮名・28歳)からの相談です。

「毎朝起きると、枕カバーによだれを垂らしている自分に気づきます。でも、寝ている間なので気をつけようにも気をつけられないし。でも、人に見られたら恥ずかしいし。彼に見られたら、ちょっとげんなりされそうです。直す方法、ありますか?」

よだれは直せるのか、どうなんでしょう?友野なおさんに聞いてみました。

よだれは口呼吸になっている証かも?

よだれが出るということは、口を開いて寝ているということですね。つまり昼間のように鼻呼吸ができていないということになります。

特に花粉症の方は、春先は鼻がつまって口呼吸になりがちです。花粉対策はいろいろありますが、基本は寝室に花粉を持ち込まないことが大事ですね。寝室には外で着た上着を持ち込まない、床をこまめにクリーニング、寝具もこまめに洗って部屋干しする、清潔なパジャマを着るなどなど、細かい作業ですが、それが一番の対策になります。

日中は鼻呼吸ができているのに、睡眠中は口呼吸になってしまう人も少なくなりません。この場合、枕の高さを見直してみましょう。高すぎても低すぎても、いびきや口呼吸の原因になりますから要注意です。

枕は首を支えるアイテムなので、横になったときの首の凹みをしっかり支えていることが重要です。凹みの高さや形は人それぞれですし、中の素材の好みもありますが、もし、今お使いの枕が首に合っていないようであれば、買い換えを検討してみてください。少し費用はかさみますが、やはりオーダーメイドの枕が理想です。

枕はよだれ対策のみならず、睡眠の質を高める大切なアイテム。健康のため、さらには美容のためにも、ぜひ自分の首にピッタリ合った枕を使っていただきたいと思います。

口まわりの筋肉を鍛えるトレーニングも忘れずに

ふだん、気がつくと口が開いている方、いませんか?ご自分では意識していないかもしれませんので、ちょっと注意してみてください。鼻がつまっているわけではないのに口が開いているとしたら、口まわりの筋肉が弱っている可能性があります。すると横になったときに、さらに弛緩して口が開いてしまい、口呼吸になってしまいます。

そこで、口をしっかり閉じるためのトレーニングもご紹介しましょう。「あいうべ体操」です。福岡の「みらいクリニック」院長の今井一彰先生が開発した体操です。

「あ-」と、口を大きく開けます。

「いー」と口を大きく横に開きます。

「うー」と、口を前に突き出します。

「べー」と、舌を出して下に下げます。

いつでも簡単にできるのでおすすめです。毎日行なって口まわりの筋肉を鍛えてください。

口呼吸はよだれの原因になるだけでなく、風邪をひきやすくなる、いびきをかくなど、さまざまな不調の原因になります。

ふだん私たちが吸っている空気にはいろいろなバイ菌、ウイルスが漂っています。鼻呼吸であれば、鼻腔の鼻毛などがフィルターとなって、それらをキャッチして取り除きます。口内では唾液がフィルター役をしてくれるのですが、口呼吸をしていると、その唾液が乾いてしまいます。すると、空気中のバイ菌やウイルスが口内を通過して気道に入ってくるため、風邪をひきやすくなるのです。

また、寒い季節ですと、冷たい空気が口から肺にダイレクトに入ってきて、これも睡眠の質を下げる原因になります。朝起きた時に喉がひりひり痛むのも、口呼吸が原因かもしれません。

おおっとー。よだれは睡眠中、口呼吸になっている印です。



■賢人のまとめ
よだれは口呼吸になっていることの赤信号。枕の高さが首の凹みに合っているかチェックしてください。普段から口が開き気味の人は口まわりの筋肉トレーニングを!

■プロフィール

睡眠の賢人 友野なお

睡眠を改善したことにより体質改善に成功した経験から、睡眠を専門的に研究。
科学でわかるねむりの環境・空間ラボ主宰。著書に『やすみかたの教科書』(主婦の友社)など。