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厚生労働省が発表した平成27年版の「国民健康・栄養調査」によると、国内で「糖尿病が強く疑われる者の割合」(20歳以上)は、男性で19.5%、女性で9.2%だという。同調査ではヘモグロビンA1cの値が6.5%以上の人などを「強く疑われる者」と定義しているが、予備軍も含めると国内の糖尿病の割合は一気に増加する。

糖尿病には1型糖尿病と2型糖尿病があるが、日本の患者の大半は運動不足や肥満などの生活習慣が原因となる2型糖尿病を患っているとされている。糖尿病はさまざまな合併症を伴い医療費の高騰を招くため、その対策は喫緊の課題と言える。そんな中、ある物を食べれば2型糖尿病リスクを低減できる可能性があるかもしれないとする研究が最近、発表された。

海外のさまざまなニュースを報じる「MailOnline」にこのほど、「マメ科植物と2型糖尿病の関係性」にまつわるコラムが掲載された。科学者グループによると、ひよこ豆やレンズマメ、エンドウマメなどのマメ科植物を食べると、2型糖尿病のリスクが3割以上も低減できるかもしれないという。予防になるとはずいぶん前から考えられてきたが、今回の研究で初めて科学的に確かめられたかっこうになる。

スペインはカタルーニャ州のタラゴナにあるロビラ・イ・ビルジリ大学の研究者グループは、地中海式食事による心血管疾患の一次予防(PREDIMED試験)に関する複数の研究成果を調べた。グループはエンドウマメなどの大豆以外のマメ科植物に焦点を当て、たんぱく質と炭水化物が豊富な食物の代用として食べると、心血管疾患罹患にどのような影響があるかを評価した。

研究者たちはまず、PREDIMED試験開始時に2型糖尿病でないが心血管疾患の高いリスクがあった3,300人以上を分析した。4年にわたる追跡調査の結果、マメ科植物を1週間に3.35人前以上摂取する人は、摂取量が1.5人前以下の人に比べて2型糖尿病の罹患率が35%も低かった。また、週に約1人前のマメ科植物を消費する人は、約0.5人前を消費する人よりも罹患率が33%低いという結果が得られた。

マメ科植物はカルシウム、マグネシウム、カリウムのような有益なミネラルが豊富に含まれている。繊維も豊富で、しかも低GI食品であるゆえ、食後血糖値の上昇は緩やかという性質も持つ。

このようなユニークな栄養素が含まれていることから、定期的にマメ科植物を食べると健康によいと研究者グループは主張。国際連合食糧農業機関も、人々の栄養上の利益に対する意識を高めるため、2016年を「マメ科植物を国際的にする年」と宣言していたほどだ。

卵やパン、米などのたんぱく質と炭水化物が豊富な食物の一日分摂取量のうち、その半分をマメ科植物に置き換えることが2型糖尿病罹患リスクの低減につながることも研究チームは発見した。ただ、今回得られた結果を確定するためには、さまざまな属性の人のデータをもとに、さらに研究を進める必要があるとの見解を示している。

今回以外にも、マメ科植物の有用性を示す研究が発表されている。例えば、2016年12月にインペリアル・カレッジ・ロンドンで行われた調査は、一日に一握りのナッツを食べると心臓疾患とガンのリスク低減につながったと報告。20編の研究の分析結果をしたところ、毎日1オンス(約28.3g)のナッツを食べた人は冠状動脈性心臓病リスクが1/3に低下し、ガンのリスクが15%減ったという。

和食の世界でも、「まごわやさしい」として豆製品の摂取が推奨されている。毎日の食事にお豆をプラスしておいて、損はなさそうだ。

※写真と本文は関係ありません

○記事監修: 杉田米行(すぎたよねゆき)

米国ウィスコンシン大学マディソン校大学院歴史学研究科修了(Ph.D.)。現在は大阪大学大学院言語文化研究科教授として教鞭を執る。専門分野は国際関係と日米医療保険制度。

(杉田米行)