中国の税関当局は、6日に行われた米中首脳会談の前から、北朝鮮から中国に入る貨物に対する税関検査を厳重に行うようになった。米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じている。

中国・丹東の貿易関係者によると、従来は中国から北朝鮮に入る貨物に対してのみ検査が実施されていた。それが今では、北朝鮮から中国に入る貨物に対しても規定通りに厳しい検査が行われるようになり、北朝鮮側関係者を当惑させている。

その中国側の主なターゲットとなっているのは、多額の現金の持ち込みだ。

中国の各銀行は今年3月から北朝鮮国籍者の口座開設を認めなくなり、送金は人の手で行わざるを得なくなったため、中朝間の貿易代金の決済に支障が生じている。北朝鮮の貿易関係者は、トラックドライバーに依頼し、現金を運転席の下に隠して中国の取引先のところまで運んでもらっていた。

中国税関の係官は、トラックが到着すると、内部を隅から隅まで検査し、多額の現金を発見すれば有無を言わさず押収する。5000ドル(約55万円)相当以上の外貨、または2万元(約32万円)以上の人民元の持ち込みは申告が必要であり、この規定を厳格に執行している形だ。このせいで、中国業者が北朝鮮から貿易代金を受け取れない事態が多発している。

北朝鮮から中国に、親戚訪問などの名目でやって来る旅行者に対しても、厳しい検査が行われるようになった。免税範囲を超える酒やタバコを所持している人に対しては関税を賦課したり、物品を押収したりしている。

中朝両国の貿易業者は、中国税関がこえまでも検査の強化と緩和を繰り返してきたこともあり、一時的なものであることを期待しつつ、様子を見守っている。

これらの措置は、米中首脳会談の前から始まったことから、対北朝鮮制裁の強化を執拗に迫る米国に対して、中国が先制措置を厳格に行う意思を示すために行ったものだろうと情報筋は見ている。