川崎戦で荒野のクロスをヘッドで叩き込んだ都倉。これで札幌ドームでは4試合連続ゴールとなった。写真:佐藤 明(サッカーダイジェスト写真部)

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[J1リーグ7節]札幌 1-1 川崎/4月16日/札幌ド
 
 ホームチームの1点ビハインドで迎えた82分のことだった。味方のパスを受けた荒野拓馬が左からワンタッチでクロスを上げると、待ち受けていたのは札幌のエース・都倉賢。決して空中戦に弱くはない川崎の車屋紳太郎に競り勝ち、ヘッドを叩き付けると、ボールは名手のチョン・ソンリョンの手を弾き、ゴールへと吸い込まれた。
 
 川崎に先制点を奪われる苦しい状況での貴重な仕事。サポーターの前で大きな咆哮を上げた男は試合後、自らのゴールをこう振り返った。
 
「前半からイージーなセンタリングをもう少し上げてほしくて、後半も言い続けていました。あの場面では、荒野がワンタッチで入れてくれた。ワンタッチのクロスだったら相手も準備しにくいはず。狙い通りの形でした。自分の良さを出せました」
 
 ニンマリとそう話す都倉は、ホーム・札幌ドームでは4試合連続ゴールと無類の勝負強さを発揮する。今季J2から昇格したチームは、押し込まれる展開が多いが、ここまで点を奪えるのはなぜか。その問いにはふたつの答えを示してくれた。ひとつはサポーターの力だという。
 
「もちろん、前日から同じ場所で練習をできる、ホームの利はあります。ただ、今日も多くのサポーターが来てくれて、負けられないという想いがありました。最後はその声援が僕たちの身体を突き動かしてくれました」
 
 また、自らの成長も決定力向上につながっているという。
 
「自分のストロングポイントを自分自身が一番理解できるようになりました。そこが今までとの違いだと思います。昔はやりたいプレーと結果を出せるプレーが異なっていた。でも、今は結果を出すために自分が何をしなくてはいけないかを把握したなかでプレーできている。それが結果につながっています」
 
 奇しくもこの日の相手、川崎はユース時代を過ごし、プロ生活を始めたクラブだ。2005年から約3年半所属し、1点も奪えなかった古巣に対し、大きく成長した姿を見せ付けた。
 
「もちろん勝つためにやっているので(今日の引き分けは)100パーセント満足ではないです。だけど、チームの目標である残留を考えれば、勝点1は悪くないと思います。もっとも、個人としてもチームとしてもさらに伸びることはできるはず。もう一度見つめ直して進みたいです」
 
 次節の相手は「キャンプでの練習試合ではぼろくそにやられた」浦和だ(4月22日/埼玉スタジアム)。アウェーの地でも実力を見せられるか。その挑戦には注目だ。
 
取材・文:本田健介(サッカーダイジェスト編集部)
 
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