Photo by Keiko Hitomi

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 トランプ大統領は6日、化学兵器の使用が疑われるシリアのアサド政権に対する攻撃を命じた。軍事作戦をためらったオバマ前大統領と違い、決断力と実行力があると誇示したかったのかもしれないが、はたしてこの「即断」は正しかったのか。国連決議や国際社会の支持を得ることなく、主権国家攻撃の根拠もシリア内戦終結の戦略も示さないまま、単独で武力行使に踏み切るのはかなりの危うさをはらんでいる。

 また、トランプ大統領は北朝鮮の核や弾道ミサイル開発をめぐり、中国の対応によっては米国が北朝鮮への軍事攻撃に踏み切る可能性をほのめかしている。もし米国が攻撃すれば、北朝鮮の報復によって韓国が火の海になるだけでなく、日本も甚大な被害を受ける可能性がある。そのリスクが大きすぎるために、米国の歴代政権は北朝鮮への軍事攻撃に踏み切らなかった。問題は気まぐれで衝動的なトランプ大統領が大惨事のリスクをすべて考慮に入れて、軍事的選択肢をテーブルの上に載せているのかということだ。

 実は米国ではいま、トランプ大統領の自己制御がきかない衝動性や精神不安定性に対する懸念が高まっている。きっかけは2月半ばに35人の精神科医らが連名でニューヨーク・タイムズ紙に送った、「トランプ氏は重大な精神不安定性を抱えており、大統領職を安全に務めるのは不可能だ」とする内容の投書だった。

 米国精神医学会(APA)は「精神科医が自ら診察していない公的人物の精神状態について意見を述べるのは非倫理的だ」とする規定を設けている。しかし、この投書の後、「危険性について認識しながら、沈黙しているのは逆に倫理に反する」として多くの精神医療の専門家(精神科医、臨床心理学者、ソーシャルワーカーなどを含む)が立ち上がり、トランプ大統領の解任を求める運動に加わっている。彼らが口を揃えて指摘するのは、「現実と空想の区別がつかない妄想症で、サイコパス(反社会性人格障害)の人物が核のボタンを握っていることの怖さ」である。

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