そろそろ「一生モノ」が欲しい。

オトナになると、「一生モノ」に対する憧れが出てくるもの。でも、みなさん実際にはどんなものを「一生モノ」として愛用しているの?

そこでウートピ編集部で20代後半から30代の女性を対象にヒアリング調査してみたところ、意外にも「一生モノ」は、自分で買うのではなく、お母さんやお祖母さんから譲り受けた品を愛用しているという実態が見えてきました。

流行に左右されず、世代を超えて受け継がれるレガシー・ファッションアイテム。みなさんはどんなものを愛用しているのでしょうか?

クロエのトレンチコート

「義母からもらったクロエの真っ赤なトレンチコート。なんと40年以上も前、義母が20歳の時に母親に買ってもらったものなんだそう。当時の値段で20万円もしたそうですが、さすがに質がよくて今でもへたれもほつれも全然ありません。生地もしっかりしていて、さすがクロエという逸品です。

普段はプチプラのファッションで済ませることの多い私ですが、袖を通すたびに『ちゃんと次の世代に渡さなきゃ』と背筋が伸びます。ちょっと今のトレンチコートより袖の筒が太めですが、まったく古びないモダンなシルエットは素晴らしいです。義理の祖母はハイカラで本当にセンスのいい人だったみたいです。天国で見てくれてるといいな」(29歳、出版関係)

オンワード系ブランドのブラウス

「祖母からもらったこのブラウスは、1980年代のもの。今はもうないブランドですが、オンワード系のもののようです。祖母が引っ越しで自宅の整理をしていた時に母が譲り受けた品で、『ちょっと派手すぎる……』という理由で私のところに回ってきました(笑)。

レトロな雰囲気の柄とカラーにほどよい透け感があって、逆に今っぽいんですよね。しかも、大切に着ていたのか、とても状態がよくて。よく黒のスキニーパンツと合わせて愛用します。ちょうど今年はレトロブームだし、かなり気に入ってますね」(30歳、自営業)

ロエベのバッグ

「25年くらい前に祖父母がイタリアを旅行した際に、祖母が現地で購入したというロエベのバッグ。譲り受けたのは20年くらい前だったかな……祖母の衣装部屋を一緒に片づけていた時に見つけて、『かわいいから欲しい!』っておねだりしてみたら快くプレゼントしてくれたんです。

ベルトが長めなのでトートバッグにすると、ちょうどいい。もらった当時はロエベの価値がいまいちわかってなかったのですが、歳を重ねるごとに質のよさが身にしみます(笑)。本当に丈夫だし、いろんなファッションに自然になじんでくれる。今も大事に使い続けています」(30代、通信系企業勤務)

モンクレールのダウン

「母がヨーロッパ旅行をした時にパリで購入したモンクレールのダウンコート。母はモンクレールのロゴワッペンがないものを探したそうで、パッと見にはモンクレールとわからないシンプルな一着です。

譲り受けたのは2年くらい前だったかな……。ダウンが一着欲しいな、と考えていた時にたまたま母のクローゼットで見つけて、おねだりしてみました。身長が150センチくらいしかない母はロングコートのように着こなしていましたが、私は普通に膝上丈のコートとして愛用してます。とにかく暖かいので、寒い地域を旅行する時や屋外のBBQでは大活躍です」(29歳、IT企業勤務)

ポールスミスのジャケット

「叔母から譲り受けたポールスミスのジャケットを大事にしています。今年で65歳になるピアノ講師の叔母は、華やかで個性的なファッションが大好き。このジャケットも全体の色はグレーでおとなしいけれど、ノーカラーで襟元はかなりデコラティブ(笑)。

ただ、自分が着るとどうしてもオバサン臭くなってしまうということで、『若い人に着てもらいたい』と泣く泣く私にプレゼントしてくれました。私も個性的なファッションが好きなので、黒のワンピースにあわせたり、赤のニットをインしたりして楽しんでます」(33歳、IT企業勤務)

ジバンシーのカシミアショール

「祖母からもらったジバンシーの黒のカシミアショール。仕事で着物を着る機会があったんですが、その際にコート代わりになるからと祖母が衣装ダンスから出してきてくれました。樟脳(しょうのう)の匂いがプンとしたので、きっと長年大事に保管していたんだと思います。今どきなかなかないくらい肉厚なカシミアで、これ一枚羽織れば真冬でもかなり暖かいです。

祖母は一昨年亡くなりましたが、カシミアのショールは毎年使っています。かなりヘビーに使ってもまったくくたびれないので、もしかしたら次の世代までいけるかも(笑)。和洋問わず使える一生モノです」(32歳、団体職員)

ケンゾーのショール

「義理の母からもらったケンゾーのショール。レモン色の生地に刺繍やスパンコールがふんだんに施してあって、すごくきらびやか。いただいた時はどうやって着ればいいんだろう……と悩みましたが、ちょっとお呼ばれした時に羽織るだけで、一気に華やかになります。

ヨーロッパでの生活が長かった義母は、20代の頃、イブニングパーティーにこういう鮮やかなショールをかけて遊びに行くことも少なくなかったそう。今は普通に東京で主婦をやっていますが、彼女の青春を思い出させるショールみたいです」(34歳、自営業)

ノーブランドのジャケット

「母がちょうど今の私と同じ歳(34歳)の時に新婚旅行のために購入したというジャケット。実家には、このジャケットに身を包んだ母がニカッと笑っている、新婚旅行の出発直前に撮影した写真がたくさんあります。当時の値段でだいたい5万円だったそうです。

『結婚式にも着ていけるから』と20代の頃に母から譲り受けたのですが、どう着こなしていいのかわからず長い間クローゼットにかかったままになっていました。ところが、30代になって着てみると、どんな服装にもしっくりきてびっくり。最近はワンピースやデニムに合わせたりしてますね。

このあいだ、たまたまこのジャケットを着て実家に帰ったら『着てくれてるんだね!』と嬉しそうな母。譲り受けたばかりの頃は、『ねえ、あのジャケット着ないの?東京で着ないの?』としつこくて「うるさいな」と思っていたのですが……」(34歳、IT企業勤務)

ジュンアシダのワンピース

「40年前に母が大学卒業の謝恩会で着るために購入したジュンアシダのワンピースです。なんでも、振袖だと着る機会が限られるからワンピースにしたのだとか。当時の値段で20万円くらいしたみたい。

大学生の時に母のクローゼットを物色していたら、このシルクのワンピースが目に入って。高級感のある生地と見たことのない柄に一瞬でテンション上がりました。昔のデザインでちょっと肩幅が広いので、譲り受けてからはお直ししてもらって自分の結婚式で着ました。いいものは本当に長く使えると実感。これからも友人の結婚式などで着たいです」(32歳、大学職員)

母から娘へ、祖母から孫へ、世代を超えて受け継がれたレガシー・ファッションアイテムの数々、いかがでしたか? 高価で良質なものを自分のお金で買うのもオトナっぽくていいですが、時代を経ても古びない「一生モノ」に魅力を感じる女性は少なくないようです。

ウートピ編集部