AKB48『サムネイル』劇場盤

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 AKB48の木ゆりあが、グループからの卒業を発表した。2005年のグループ結成より、AKB48は今年で12年目を迎える。「AKB48はあと10年続くのか?」、これは2016年に公開のドキュメンタリー映画『存在する理由 DOCUMENTARY of AKB48』のキャッチコピーだ。相次ぐメンバーの卒業、選抜総選挙への不出馬。今、AKB48は過渡期を迎えている。

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 木は2009年にSKE48の第3期メンバーとして、グループに加入。男勝りな性格と持ち前の明るさで、“パフォーマンス至上主義”であるSKE48を支えた。彼女にとって大きな転機となったのは、2014年のAKB48への移籍であった。その後、選抜常連メンバーへと成長した木は、2015年にチームBのキャプテンに就任する。

 「13歳から21歳までの8年間のアイドル人生でめちゃくちゃ楽しかったし、お腹いっぱいだなと思って」。4月12日深夜放送の『AKB48のオールナイトニッポン』(ニッポン放送)にて、横山由依と入山杏奈に見守られながら卒業を告げた彼女は、こう話していた。Twitterだけで見てもAKB48グループの多くのメンバーが木について呟いていた。峯岸みなみ、高橋朱里、加藤玲奈、向井地美音、北原里英、山本彩、SKE48から須田亜香里、松村香織、後藤理沙子、古畑奈和……。彼女がどれだけ愛されていたのかが分かる。2つのグループを渡り歩き、チームBのキャプテンとしてリーダーシップを発揮した彼女は、まじめで嘘のない人物だ。メンバーのコメントの中でも、須田は自身のブログ(http://ameblo.jp/ske48official/entry-12265423022.html)にて「2年前私のアイドル人生を自分のことそっちのけで救ってくれたゆりあ」と綴った。2015年の選抜総選挙において、惜しくも選抜を逃してしまった須田を心配したのは木であった。

 「メンバーが次々と卒業していく中で、この場所で私にできることはなんだろう」。木の去りゆく背中を見て、そう呟いたのは向井地。昨年、大晦日に島崎遥香、続けて西野未姫、大和田南那、中村麻里子が今年グループを卒業している。4月19日には小嶋陽菜がいよいよAKB48を離れ、大島涼花、田名部生来も次期卒業を迎えることになる。グループの卒業と総選挙の不出馬は一概にもイコールでは結ぶことはできない。それぞれに価値観があり、考え方があるからだ。しかしながら、昨年4位であった山本、5位の柏木由紀、9位の兒玉遥、10位の武藤十夢と16位までの選抜メンバーだけでも、不出馬を表明しているのは4名。それに加え、昨年選抜総選挙において至上初の連覇を果たした指原莉乃、次ぐ2位の渡辺麻友が、今年が最後の総選挙であることを明かしている。「世代交代」、そう言い切ってしまえばすむ話なのかもしれないが、何とも味気ない思いもする。AKB48という名の旗は今はためていない。

 山本彩は自身のエッセイ『すべての理由』の中で、「AKB48と姉妹グループそれぞれを、一旦切り離してみたらどうか」と自身の考えを表している。現在、AKB48のシングル選抜は、ほか姉妹グループを入れた「AKB48グループ」で構成されている。全てを一緒にしている現在の体制は、それぞれのグループの個性をなくしているのではないか、というのが山本の考えだ。小嶋の卒業公演の夜に放送される『AKB48のオールナイトニッポン』(ニッポン放送)には、出演メンバーに指原を迎え、秋元康の登場も仄めかされている。放送では、AKB48グループの今後を徹底討論する上に、「絶対に何かが起こるスペシャル」と題されている。相次ぐメンバーの卒業で崩壊しかけているチームBの新キャプテンの任命という課題もあるが、それ以上にこの日はAKB48グループにとって重大なことが確実に起こるだろう。果たして、AKB48に再び風は吹くのか。(渡辺彰浩)

※記事初出時、一部情報に誤りがございました。訂正してお詫びいたします。