送検のため千葉県警我孫子署を出る渋谷恭正容疑者。顔を隠すようにフードを目深にかぶり、詰め掛けた報道陣には視線を向けなかった=15日午前(納冨康撮影)

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 千葉県松戸市の小学3年、レェ・ティ・ニャット・リンさん(9)の殺人・死体遺棄事件で15日、死体遺棄容疑で送検された渋谷恭正(やすまさ)容疑者(46)は、相続した不動産を運用して暮らし、「地元の名士」として知られていた。

 その一方で少女への興味を吐露し、女子児童だけに優しい態度を見せるなど「二面性」ものぞかせていた。

 「優しくて面白いおじさん」。亡くなったリンさんが通った六実(むつみ)第二小学校で同級生だった女児(9)は、渋谷容疑者の印象をこう語った。

 女児の脳裏には毎朝、通学路で児童の登校を見守る渋谷容疑者の笑顔が残っていた。会長を務めた保護者会の集会では「子供がアレルギーなので、食材には気を使っている」と子育てについての持論を展開した。

 自宅の4階建てマンションは平成13年に親族から土地ごと相続したもので、他にも複数の不動産を所有。運用で生計を立てていたとみられ、「特に勤めに出ている様子はなかった」(近くに住む主婦)という。

 中学時代のあだ名は「シブ」。同級生は、相手を見下すような渋谷容疑者の発言を覚えている。「だから同世代は嫌だ」「自分はもっとすごいことができる」

 千葉県内の県立高校に進んだが、卒業後は不動産を相続するまで飲食店のアルバイトなどを転々としていた。以前の勤務先だった料理店店主は「厨房(ちゅうぼう)担当として働いていたが、1年もたたずに辞めた」と話す。

 一方、少女の裸の場面が描かれた成人向けコミック誌を愛読していたといい、一部の知人には「若い子が好き」と性的嗜好(しこう)を明かすこともあったという。

 女性が中心だった保護者会に自ら手を挙げて入会するなど「空気が読めない」という評価もあった。女子児童に優しく接する傍ら、男子児童を「ふざけてるんじゃねえぞ」と叱りつける場面も目撃されていた。

 「二面性のある人だと思った」。保護者会の女性は、ため息交じりにこう語った。