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Base Ball Bearの小出祐介が部長となり、ミュージシャン仲間と映画を観てひたすら語り合うプライベート課外活動連載。今回は、特撮大好き小出部長がその公開を待ち望んでいたあの毛深い巨神による大ヒット作へ。終演後、小出部長は席から立てなかった……。


活動第34回[後編]「キングコング:髑髏島の巨神」

参加部員:小出祐介(Base Ball Bear)、世武裕子、福岡晃子(チャットモンチー)




小出部長が「2000点!」と大絶賛で口火を切る[前編]はこちら


撮り方が完全にエヴァのテレビ版のエンディング


世武 ちなみに私は今までキングコングの映画を観たことがないんですよ。キングコングって、ただのでっかいゴリラだと思っていたから(笑)。


小出 日本のもアメリカのも?


世武 まったく何も。だからはじめ、この映画も冒頭のあたりは「ゴリラが吠えて何が怖いねん!」くらいに思ってたけど(笑)。でもだんだん自分が勝手に先入観持ってたんやなって、いろいろ事態が飲みこめていって。キングコングが水中に放り出された戦場カメラマンの女の人(ブリー・ラーソン)を優しく助けるところは感動した。


小出 あそこもエヴァでしたね。水に落ちるカットは庵野秀明監督の『ラブ&ポップ』(1988年)感あったし、その様子を横から映すのは完全にエヴァのテレビ版のエンディングだった。「Fly Me to the Moon」が流れてるときの綾波レイのカット。


福岡 まさに!


小出 だけどライティングが緑だから、あれは『エイリアン』なんだよね。


世武 あ、そっか!


福岡 そのシガニー・ウィーバーからとって、あの女の人の名前がウィーバーでしょ?


──そうです、役名メイソン・ウィーバー!


小出 その水からバシャッ! と上がったら彼女の髪がオールバックでタンクトップだったのね。あれはシガニー・ウィーバーですよ。『エイリアン3』『4』の合わせ技なんじゃないか? 細かいけど(笑)。


福岡 ほんまや! あとさ、嵐に突っ込む前のシーンは『天空の城ラピュタ』じゃないよね?


小出 あると思うよ。


福岡 あるかな!? マジで? ラピュタ? まさかなぁと思ったけど(笑)。


小出 だってさ、羊みたいな動物とかバイソン的な。あれもジブリじゃないですか。


世武 ジブリだったよね。『もののけ姫』みたいな。


小出 『もののけ姫』だよ。


世武 絶対そう。


福岡 そっか、『もののけ姫』だね。ジブリまで入ってるんや!


小出 他にもさ、MIYAVIの役がグンペイ・イカリでしょ。イカリは碇シンジ、グンペイはゲームボーイを作った横井軍平じゃない?


福岡 へぇ〜、そうなんだ。すごいね。


小出 骨がごろごろ転がっているイメージだって『モスラ対ゴジラ』とか、ああいう東宝怪獣映画っぽかったもんなぁ。『モスラ対ゴジラ』に“インファント島の怪骨”っていう、コアファンが好きなキャラクターがいてね(笑)。そんな怪骨がいっぱい転がっているところがあったりさ。骨の墓場っていうのも、エヴァのセントラルドグマの素体廃棄場感あったし。


福岡 そうだね。


小出 あとはゲームだと『ワンダと巨像』とか『ゼルダの伝説』とか、もう日本製が多すぎ(笑)。いろんな「俺の好きなもの」をごちゃ混ぜにブチ込んで作品世界を作ってるんだけど、このミクスチャー感そのものも、庵野監督がかつてエヴァでやったことでもあるし、すごく通じるものがあるよね。


 


観た!っていう充実感と、終わったあとにみんなでしゃべれる


世武 個人的には一応主演扱い(ジェームズ・コンラッド大尉役)のトム・ヒドルストンが良かった。彼の作品をめっちゃ観ていたわけじゃないけど、今回初めて「この人が『007』のジェームズ・ボンド役でもいいかも」って思った。


──次のボンド役の候補だってよく言われてますよね。


世武 今までは(一時期恋人関係だった)テイラー・スウィフト臭がすごいから絶対に嫌だと思っていたんだけど(笑)、今回観て「いいじゃん!」って。それが自分の中で収穫だった。


福岡 実際、ボンドになるんちゃうん? その前触れじゃない?


小出 ちなみにサントラはどうでした? 良かった?


世武 ヘンリー・ジャックマンの劇伴音楽ね。もうね、悪びれもしない1から100まで王道みたいなのが、やっぱり好き。


──前に映画部で好評だった『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』(本連載第25回参照)のスコアもこの人でしたね。


世武 そうそう!


福岡 映画自体も王道やね。めっちゃ春休み感がある。観た!っていう充実感と、終わったあとにみんなでしゃべれる感じが、すごい春休み。


世武 ディズニーランド行ったみたい。


小出 ディズニーランドといえば、個人的には僕、ジャングルクルーズが好きなんですよ。あのサファリ感。象が水浴びしてたり、原住民が外から来た探検家・調査隊みたいな人たちを追いたてていたり、森の中から槍を持って出てきたり。


で、途中で船が遺跡の中に入っていくのよ。実はジャングルの神様を祀る神殿で、財宝の周りに蛇がいたりとかさ。ああいうのが好きなの。その意味で今回の映画はジャングルクルーズと同じ(笑)。


そこにさらにもののけ姫臭がしてきて、エヴァ臭もしてきて、ファロ島とかインファント島の感じ……あと『食人族』感もありましたね。蜘蛛に突き刺されて串刺しになっている画とか、あれはもう『食人族』の有名なシーンだよね。それからもちろん『地獄の黙示録』ね。


──今回の映画、実はベトナム戦争絡みでもありますからね。


小出 各地にいろんなイベントがあって、もう最高!


福岡 今のコイちゃんのしゃべってる感じ、もうめっちゃオタクやったわ(笑)。へへっ、へへって言いながら。


小出 言いながら楽しかったもん、いろいろ思い出して(笑)。本当にそのままもう1回観たかった。今日も夢で観たい(笑)。だからね、もうみんな観に行けばいいよ! とにかく最高だから。


福岡 あははは。あ〜、面白い。


──今日は部長がものすごく幸せそうですね。


福岡 家に帰ったら、今日はもうゆっくり寝な。


小出 あはははは! はい、おやすみなさーい!


TEXT BY 森 直人(映画評論家・ライター)


 女子も無邪気に楽しめるのも、本作のいいところだと思います。


この日は髪を切りに行ったあとでの参戦だったあっこちゃん。刈りあげたのは10代のとき以来なのだとか(本編とは関係ない情報)。