女性誌『Suits WOMAN』で注目を集めた「貧困女子」。これは普通の毎日を送っていたのに、気がつけば“貧困”と言われる状態になってしまった女性たちのエピソードです。

今回、お話を伺ったのは、現在、派遣社員をしている林田花乃子さん(33歳)。現在の手取りの月収は13万円なのに、東京都新宿区内の瀟洒なマンションに住んでいますが独身。今の状況を「軽く地獄かも」と語っており、その背景についてインタビューしました。

花乃子さんは目が大きく、典型的なタヌキ顔の女性。ヘアスタイルはボブで、トップ部分が白、スカート部分が紺のワンピースを着ていました。肉感的なぽっちゃり体形でも、“おデブ”ではなく、全身に自信のなさが漂っています。

持っているバッグもフランスブランドの家紋柄で15万円はくだらないもの。なぜ、花乃子さん自身が貧困状況にあると思うか、ということについて、お話を伺いました。

「1年ほど前にパパ活(金銭的なパパを見つける活動のこと)をして、今の彼と知り合いました。彼は会社をいくつも経営しているお金持ちで、私の生活の面倒をみてくれるのですが、奥さんがいるし、DVが激しいし、束縛もするし……でも、彼がいないと家もなくなるから……。彼と出会う前の生活に戻れるとも思えないんです」

花乃子さんは地方の短大を卒業した後、東京の生活に憧れて状況してきました。

「中学生の時に、テレビドラマの『ロングバケーション』を見て、東京っていいな〜と。群馬県の実家で、砂壁に畳、小豆色のジャージ着てテレビにかじりつきながら、ピアニストの彼とフローリングの床のおしゃれなマンションに住みたいと憧れた。東京に遊びに行って都会の人のふりをしても、そこに住んでいる人にはなれない。それが悲しくて、“いつか東京に行ってやる”というか、“東京の人になってやる”思っていました」

しかし、花乃子さんは上京願望があっても、おしゃれな生活がしたいというだけで、大学で勉強したり、憧れの職業に就きたいなどの願望はなかったとか。

「当時は東京の学校に進学させてほしいと言っても、OKをくれなかった親を恨んだものです。でも、今思えば当然ですよね。だっておしゃれな生活がしたいだけで、目標がないんですから。成績も中の下だし。でも、短大くらいは出ておいた方がいいと父親に言われて、地元の学校に進学しましたが、別に何か勉強した記憶はありません」

何を勉強したのかを何度聞いても、あまり記憶にないと答える花乃子さん。当然、地元でも就職が決まらず、卒業後のアルバイトを探しているときに、祖父がなくなって、花乃子さんの母親に200万円ほどの遺産が入ってきた。東京で仕事をすることを母親に訴え、遺産のうちの100万円を上京費用として出してもらったそうです。

「最初に住んだのは、東京都世田谷区経堂の狭いワンルームマンションで、家賃は5万円。今思えば、不動産屋さんに騙されたとしか思えない物件で、6畳くらいのスペースに、むりやりユニットバスと洗濯機置き場を突っ込んだような部屋でした。あまりに狭すぎて、寝るスペースを満足に確保できず、体調が悪くなりました(笑)」

駅から徒歩20分の狭小物件になぜ、相場より高い家賃を払ったのか

家賃に5万円を出せるなら、他にも物件はあったけれど、花乃子さんはフローリングにこだわったと語ります。上京後は20歳から25歳まで東京の小さなメーカーで一般職の社員として働き、当時の平均年収は240万円。26歳の誕生日に中堅印刷会社の男性と入籍し、寿退職します。しかし相手はDVが激しい男性で、花乃子さんが30歳の時に、結婚生活3年半で離婚します。

「元夫とは、SNSのコミュニティーで知り合いました。有名な大学を卒業しているというから結婚してあげたのに、実際は無名な大学を中退しているという学歴だったんです。それだけでも超ガッカリで、ずっと文句言っていた。最初は謝ってくれたんですが、だんだん無口になって。新居もフローリングにこだわって、中野区内のアパートに決めたのですが、狭いとイライラするみたいで言葉の暴力をふるい出して、そのうち手が出てきました。今の彼もそうですが、学歴コンプレックスが激しい人ってすごい内弁慶。離婚するとき、彼に何で私と結婚したのか聞いたところ、私がバカだったから、と即答されました」

フローリングの次に譲れなかったのが、犬か猫を飼うこと。しかしペット可能な物件が相場よりも家賃が1〜3万円高く、あきらめたという。

離婚後は派遣会社に登録。憧れていた東京ライフを手に入れたかのように見えたが……〜その2〜に続きます。