■50キロ競歩

 リオデジャネイロオリンピックで荒井広宙選手が銅メダルを獲得した50キロ競歩。3位でゴール後に反則であるとの抗議を受けて一度失格となり、再度の抗議が認められての銅メダルということで、記憶されている方もいるかもしれない。この競技は、オリンピックの競技種目として続行するかどうかの会議が開かれていた。日本陸連はもちろん続行を期待していた。そんな中、13日に国際陸連が東京オリンピックでの50キロ競歩の続行を決定した。

 元々50キロ競歩が競技種目から外されそうになっていた背景には、五輪憲章にそぐわないという意見があった。大きな理由として挙げられるのは、この競技は、男子競技のみで女子競技がないからである。男女平等を掲げているIOCの意向が反映されていないということで疑問視されていた。

 競技を無くそうとしていた背景にはもう一つ理由があった。金メダリストを含む複数のドーピング使用者が出ており、そこが問題視されていたのだ。

■IOCの判断

 IOCは結局、2020年の東京オリンピックでは50キロ競歩を廃止しないことを決定したわけだが、ここで疑問が残る。20キロ競歩は男女ともに競歩が存在する。距離が長いから男子だけ競技があるというのは、やはり男女平等を無視しているととらえられるのではないか。

 また、ドーピングに関して言えば、ドーピングを使用しているのは他の競技にも言えたことである。もし100メートルやフルマラソンと言った人気競技でドーピング違反者が出たとしても、競技が無くなるということはないだろう。

 理由はオリンピックの目玉が無くなりスポンサー収入が無くなってしまうからだ。オリンピックと言えどもスポンサー収入が無くなり、さらに開催地が赤字を懸念して立候補地が無くなれば、開催できない可能性すらある。オリンピックと経済を切り離すことはできない。逆に言うと経済的にスポンサー収入の見込みが少ない50キロ競歩は、あまりうまみがなく存続させてもさせなくてもという思いはあったはずだ。

■日本陸連胸をなでおろす

 各団体の想いはあるだろうが日本陸連は50キロ競歩の存続に胸をなでおろしているはずだ。この競技はメダルを狙える数少ない陸上競技という所が一番大きい。もし2020年のオリンピックが東京でなければ、無くなっていた可能性もあっただろう。

 個人的な意見を言わせてもらうと、この50キロ競歩が存続してよかったと思っている。確かにこの競技は人気があるという訳ではない。それでも50キロという長丁場を歩き、さらには観戦料がかからない。オリンピックチケットの入手が難しく、何も観戦できないという人でも、50キロ競歩であれば、見るということはできる。

 観戦できた種目が50キロ競歩だけであり、「その姿に感動したから」となれば、競技者が増える可能性もあるだろう。未知なる未来投資という形で競技存続させたと考えても面白いのではないか。