20〜30代の独身女性の彼氏がいない確率が50%を超える今。いつの間にやら少数派になった彼氏持ちの女性の中には、彼氏はいるもののセカンドポジションのまま、いつまでたってもファースト(本命)になれない女性たちがいる。彼女たちが本命になれない原因は何なのでしょうか……。彼女たちの過去の恋愛から、その原因を探っていきます。

☆☆☆

今回お話を伺ったのは、埼玉県のホテルでフロントのバイトをしている田原克美さん(仮名・32歳)。やや幼さを感じる淡い色のカジュアルな服装に、キューティクルのあるツヤツヤの髪と黒ぶちの眼鏡が印象的な女性です。「お金がかかるので、レンズを薄くできなくて……」と語るように、分厚いレンズは彼女の二重の瞳を小さく見せている感じがします。全体的に地味なイメージがあり、堅実そうな彼女のセカンド気質はどこにあるのか――。生い立ちや、学生時代の恋愛から話を伺っていきます。

「出身は埼玉県で、母親と祖父母の4人家族です。小学校3年生の時に両親が離婚して、私は母親に引き取られました。父の記憶は少ししかありません。ぼんやりと覚えているのは、私が自転車に乗れるように一緒に練習をしてくれたことです。その他はあんまり記憶になくて……。写真もあまり残ってないですね。離婚理由は父の浮気だと、私が大学生の時に聞かされました。父は離婚してからは、1回も会いに来ていません。でも、恨んでいる気持ちも、会いたい気持ちも特にないんです。あまりにも記憶がないので、際立った感情がないんですよね。当時は両親が離婚する人が今ほど多くなかったので、ある意味学校では目立っていたと思います。私はただ静かに揉め事を起こさないように、真面目に学校生活を過ごしました」

初めて彼氏ができたのはいつですか?

「社会人になってからです。23歳の時ですね。学生時代は好きな人がいましたが、その先に進もうとは思っていなかったです。高校時代にクラスメイトの男子を好きになったんですが、本当に見ているだけで満足でした。私は高校を卒業したら就職するつもりだったんですけど、親と祖父母が進学を勧めたので、その期待に応えられるように、迷惑をかけないように勉強とアルバイトにほとんどの時間を使っていました。なので、そこまで恋愛する気にもなれなかったんですよね。

大学は東京へ進学しました。もちろん実家から通って、少なかったですが高校時代のアルバイト代も学費にあてていました。今振り返ると、本当に真面目な学生生活だったと思います。そこまで母親はうるさく言う人じゃなかったのですが、言われないからこそ自分の意思でしっかりしなければという思いが強くなってしまったのかな。大学時代も特に思い出がないまま、東京の通信系の企業に就職しました。初めての彼氏は職場の人でした」

初めての彼氏との結婚を夢見るも……!?

就職を機に親から完全に自立したことで、初めて心の底から自分の時間が楽しめたそうです。

「就職した場所も実家から通えるところだったんですが、大学時代のアルバイトでそこそこの金額が貯まっていたので、すべて自分のお金で家を借りて一人暮らしを始めました。祖母は反対しましたが、母親は反対しなかったです。負い目を感じていたのかもしれません。一人暮らしを始めた時、縛られていたわけではないのに、なぜかすっきりした気持ちになりました。

就職では、営業部に配属されて営業のアシスタントをしていました。営業する人とチームを組んで、その人のサポートをする役割ですね。資料をまとめたり、確定した広告の進行を管理したりなどです。雑務も多かったですが、アルバイト時とは比べものにならないほどのお金がもらえたので大満足でした。初めての彼は、別チームの3歳年上の営業の人です。物腰の柔らかい人で、ケンドーコバヤシさんに似ていてややぽっちゃりしている方でした。当時私は喫煙していて、彼とは喫煙所でよく会うようになって仲良くなり、ランチや部署飲み会で距離が縮まっていった感じですね」

彼との交際は順調に進みますが、結婚を意識できない付き合い方に不満が募っていったそうです。

「彼とは週末にはお互いの家に泊まりに行ったり、色んなところに一緒に出掛けたりとケンカもなく順調に進みました。でもその付き合いが5年ほど続いても、両親に紹介してくれないし会ってもくれない。また、一緒に住もうとかも言ってくれませんでした。私も直球は無理だったので、さりげなく友達が結婚した話などをしていたのですが、結婚の二文字が出ることはなかったです。そして、我慢しきれなくなって、将来結婚する気はあるのか聞いてしまったんです。

そしたら、『ない』と答えられました。そして、『結婚願望自体がないので、このまま一緒にいるもの申し訳ないから、今後まだ俺と付き合っていきたいか君が決めて』と言われました……。彼のことは好きだし、1人にはなりたくない……。でも、結婚はしたい。私はどちらも選べずに、別れないまま新しい出会いを探し始めました」

小さい頃からの夢だった、祝福されて永遠に続く幸せな結婚生活。それが一番好きな人とはできない現実に、目の前が真っ暗になったそうです。

彼とは結婚できないけど、別れたくない。そんな思いから、結婚ができる彼氏を探すため出会いの場に足を運び始めます。〜その2〜に続きます。