フリー歴代最高得点で3年ぶりの世界王者となった羽生結弦【写真:Getty Images】

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米ファッションデザイナー「注目度抜群の大胆で楽しい衣装。グレート!」

 世界選手権が終了し、今季もフィナーレを迎えたフィギュアスケート界。日本では羽生結弦がフリー歴代最高得点で3年ぶりの世界王者に返り咲くなど、魅惑の演技でファンを魅了したが、身にまとった衣装も海外で評価されている。アメリカのファッションデザイナーのニック・ベレオス氏が自身のブログで「ユヅルは大いなるコスチュームキングだ」と絶賛した。

 羽生の王者復活や宇野昌磨の台頭、国民的スターとなった浅田真央が現役引退を表明するなど、日本のファンにとっては話題多きシーズン。ベレオス氏は銀盤を沸かせた世界の選手たちの衣装を独自の目線で総括している。

「衣装に関して言えばフィギュアスケートの衣装をやや指向性として少しファッショナブルにした素晴らしいデザインにあふれ、とても良いシーズンだったと言わなければならない。特に男子は、より少し大胆かつ創造的な衣装を着るようになり、ダサいシャツにベルトとスラックスの“格安量販店”スタイルを見る機会が少なくなった」

 衣装の“ハイレベル化”指摘した上で、取り上げた選手のうち、男子は6人中2人、女子11人中3人に日本人選手を選出している。

 とりわけ高く評価しているのが羽生だ。真っ白な上下にベスト、シャツは薄紫、パンツは水色と淡いトーンの上下にベストという2パターンを着こなしたショートプログラム(SP)の衣装について「ユヅルは大いなるコスチュームキングだ」と絶賛し、こう評した。

「フェミニンとカワイイの融合を力強さと並列」、世界新のフリー衣装の評価は?

「この16-17年シーズン、彼は注目度抜群の大胆で楽しい衣装をまとった。ちょっと味わい深いダサさ(それがユヅルだ!)で、それでいてわりとグレート!」

「フェミニンとカワイイの融合を力強さと並列させ、伝統的な“ビンテージ”のフィギュアスケート衣装の雰囲気も仄めかすユヅルの心地良さが好きだ」

 一方、青と緑でグラデーションされた上半身に黒のパンツをまとったフリーについても評価している。

「プリンスの曲でユヅル。いいね。紫で、洒落ていて官能的で、素晴らしい! 批判対象があるとすればネックレスだ。それらが意味のあるものだろうことは分かるけど、でも目障りだ!」

「プログラムを初披露した際に衣装は白だったが、彼は紫に変えた。どちらもとても素晴らしく、ほぼフィギュアスケート衣装のお約束だった。プリンスも誇りに思うだろう」

 今月の世界選手権では、この衣装をまとってフリーの歴代世界最高得点を叩き出した羽生。演技だけじゃなく、衣装もファンを楽しませる一因となったようだ。

 世界選手権で2位に入った宇野についてはフリーで着用した上下黒で胸元の赤いコスチュームについて分析している。

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宇野は「デティールまで美しい」、浅田は「フィギュア衣装の博物館に相応しい」

「ショウマのこのフリースケートの衣装が好きだった。赤と黒は音楽に完璧だったし、緻密で複雑なスパンコールはディティールまで美しかった」

「彼にアドバイスするならネックレスを取ることだ。時に(ユヅル・ハニュウのように)スケーターには内面的な理由やゲン担ぎでアクセサリーをつける人がいることは知っているけれど、私のアドバイスは『直ちにそれを外せ!』だ」

 羽生と同様にネックレスに注目をつけているが、衣装については好評価。さらに女子の日本人選手については、本郷理華のフリーは「『アラビアのロレンス』の音楽になぞった“中東のディーヴァ”風の衣装は私をとてもハッピーにさせた」、宮原知子のフリーは「上品。純粋に女子の中でシーズン最高の衣装の一つ。10点」などとつづっている。

 そして、現役引退を発表した浅田のSPで着用した黒の衣装についても称賛した。

「マオ・アサダが着る黒い白鳥のような衣装が大好きだ。地肌の錯覚と黒のアップリケで飾られた衣装とゴデットパネルのスカートは人を唖然とさせ、衝撃を与える。フィギュアスケート衣装の博物館に相応しい」

 衣装でも魅了した元世界女王に最大級の賛辞を送っている。こうして見ると銀盤でまとった衣装も高く評価されている日本人選手たち。美しい演技とコスチュームで、さらにファンを魅了していく。