ビルヌーブ監督にサインをもらい感激する樋口監督

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 来日中のドゥニ・ビルヌーブ監督が、4月14日に都内で行われた記者会見に出席。「シン・ゴジラ」の樋口真嗣監督、「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q」の前田真宏監督を迎え、最新監督作「メッセージ」の舞台裏を明かした。

 「プリズナーズ」「ボーダーライン」で知られ、「ブレードランナー 2049」(10月27日公開)の監督に抜てきされたビルヌーブが、すぐれたSF作品に贈られるネビュラ賞を受賞した米作家テッド・チャン氏の短編小説「あなたの人生の物語」を映画化。言語学者のルイーズ(エイミー・アダムス)が、巨大な飛行体でやってきた謎の知的生命体「ヘプタポッド」とコンタクトを図るなかで、来訪に隠された壮大な真相にたどり着く。

 「SFには2種類あって、『スター・ウォーズ』のように争うものと、『未知との遭遇』のように探して見つけるもの。本作は明らかに後者の系譜にありながら、映画の文法を含めてすべてアップデートされている。1人でも多くの人に見てほしいし、理解してほしい映画」と絶賛した樋口監督は、持参した「ボーダーライン」のブルーレイにビルヌーブ監督からサインをもらうと大はしゃぎ。「これだけの大作だと色々言われなかった?」とビルヌーブ監督に質問をぶつけた。

 ビルヌーブ監督は「ソニーもパラマウントも非常にオープンに作らせてくれました。スタジオの重役たちが最初に見たとき、意見が割れて。『大好きだ!』という方と、UFOを見るような未知のものを見る目をしていた方と。(『直せ』と言われなかった? という樋口監督の問いに対し)いいえ。中国の基地の数にだけ、具体的な数を避けてくれないかと言われました。ヘプタポッドの造形について何か言われるんじゃないかと思っていたけど、基地の数だけでした(笑)」と明かすと、樋口監督と前田監督は爆笑。両監督はビルヌーブ監督の撮影秘話に興味津々で「没入できる作品にしたかった。テンションを保つのに心を砕きました。間(ま)を引き延ばしたりね」(ビルヌーブ監督)との言葉に「ああー」と深くうなずいていた。

 ビルヌーブ監督は、ヘプタポッドの登場シーンの演出についても言及。「モデルにしたのは『ジョーズ』。あの作品も、物語の3分の2に入ってからようやくサメが姿を現す。だから本作は、すごくゆっくり脱いでいくストリップのような映画かもしれません(笑)。ヘプタポッドの姿を少しずつ明かすために、霧と、人類との間にあるガラスのような壁を演出として用いました」と明かす。劇中、ヘプタポッドが用いる“文字”について話が及ぶと「実は、日本のデザイン、筆や禅的なものに影響を受けているんです。ヘプタポッドに強い存在感を感じていて、僕にとってそれは禅に通じるものだったから」と語り、「ミニマムなデザインに感心した」という前田監督は「映画を見ていて、僕ら(日本人)はヘプタポッド側なんだと思いました!」とほほ笑んだ。

 「メッセージ」は、5月19日から全国公開。