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日本AMDは4月14日、東京・日本橋で同社の最新CPU「Ryzen」シリーズに関する記者説明会と、ユーザー向けイベント「Ryzen Powers. You Dominate. 〜AMDがもたらす新アーキテクチャーの驚異〜」を開催した。すでに最上位の「Ryzen 7」とメインストリーム向けの「Ryzen 5」の販売が開始されているが、改めて日本のメディアやユーザーに「Ryzen」シリーズを紹介した。

発表会冒頭で挨拶した日本AMD セールスマネージャーの末崎氏によると、Ryzenシリーズの発売以来、大きな変化が起こったという。これまで競合に対抗できる製品がなかなか投入できなかった経緯から、Ryzenの発売が迫っても「『AMDがまた何かいってるよ』という空気だった」と当時の様子を振り返る。

しかし、実際に製品が発売され、パフォーマンスが確認されると状況は一変。一般ユーザーの注目度が高まったほか、従来からの顧客はもとより、新規顧客からも引き合いが増えたという。

「日本は重要な市場である」とし、「今後も市場からの意見や要望を聞きながら製品を展開したい」と意気込みを語った。

○幅広い層により多くのコアとスレッドを提供する

続いて、米国AMD本社でデスクトップ向けCPUのマーケティングマネージャーを務めるDon Woligroski氏がRyzenシリーズの概要を説明した。Ryzenで採用した"Zen"コアは、発表当初から前世代の"Excavator"コア比で40%のIPC向上を目指すと説明されていたが、実際にはそれを超える52%のIPC向上を達成したと紹介。

先行して発売した最上位の「Ryzen 7」では、競合となる"Kaby Lake"世代のCore i7プロセッサと比較して高いパフォーマンスを実現したとアピール。「非常に大きな成功を収めている」と自信を見せる。

一方で「成功しているものの、エンスージアスト向けの市場は比較的小さい。300ドル以下の製品を使うユーザーの市場はその2倍程度ある」として、4月11日に発売した「Ryzen 5」でこの層を狙う考えだ。

「Ryzen 5」の投入によって、これまで4コア/4スレッドの製品(Core i5)を使っていたユーザーに対して、手ごろな価格で6コア/12スレッド、あるいは4コア/8スレッドの製品を提供することで「市場に破壊的な変革をもたらしたい」という。

「Ryzen 5」でも「Ryzen 7」と同様に、CPU内部に搭載された各種センサの情報を有効活用することで、システムに合わせて消費電力の低減やクロックの制御を行う「SenseMI Technologies」や、短時間ながらブーストクロックの上限を上回る動作周波数による動作を可能とする「XFR(Extended Frequency Range)」、ニューラルネットワークを利用した分岐予測機能などの機能を備える。

○ゲーミング領域でも最適化への取り組みを進める

Ryzenシリーズでは、先の通り、多コア/多スレッドを生かして、ビデオエンコードなどの用途での活用が期待されるが、ゲームでも高いパフォーマンスを発揮できると強調する。例えば「Ashes of the Singularity」や「Civilization 6」「Mafia 3」「F1 2016」といったタイトルで競合製品を上回る性能を実現するという。

また、現状は競合製品向けに最適化されているゲームタイトルが多いが、AMDでは多くの開発者とコミュニケーションすることでRyzen向けの最適化も進める。「Ashes of the Singularity」「DOTA 2」「Total War:WARHAMMER」の3タイトルでは、アップデートによって最適化され、フレームレートが向上したと説明。今後もRyzen向けに最適化されるゲームが増えるとした。

さらに「プラットフォーム側でも改善すべきことがある」という。DDR4-3200のような高クロックメモリへの対応や、RYZEN Masterでの「High Precision Event Timer(HPET)」を無効化、Ryzen向けに最適化されたWindowsの電源管理プランの提供によって、性能を高めることが可能だと示した。

○説明会場にはRyzen対応マザーボードや搭載システムなどが展示

(千葉大輔)