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●「Android Wear 2.0」搭載モデルが登場
スイス・バーゼルで毎年開催される時計と宝飾品の見本市「Baselworld」(バーゼルワールド)。伝統あるスイスの高級腕時計が並ぶ中、最近はスマートウォッチの存在感が増している。

2015年4月の「Apple Watch」登場で盛り上がったスマートウォッチ市場だが、当初の期待ほどには拡大していないのが現状だ。果たして2017年はどうなるのか、バーゼルワールドの最新動向をレポートする。

○「Android Wear 2.0」搭載機が登場

腕時計の文字盤をディスプレイに置き換えた「スマートウォッチ」の分野で、多くのメーカーがOSとして採用するのが、グーグルの「Android Wear」だ。

大手ブランドでは、2016年に続きタグ・ホイヤーがAndroid Wear採用の新製品を発表。スイス国内でデザイン・開発・組み立てが行われたスイス品質が特徴で、新基準に基づいた「Swiss Made」を冠するモデルになる。

ほかにも米フォッシル・グループは「Fossil Q」シリーズや、マイケル・コース、ディーゼルなどのブランドでAndroid Wear 2.0対応製品を発表。米国の「GUESS」もバンドや文字盤にこだわったモデルを発表した。

Android Wear 2.0では、細かな使い勝手が改善したほか、新たに単独での通信機能にも対応した。これまで通信にはスマホが必要だったが、機種によってはスマートウォッチ単体でWi-FiやLTEによるインターネット接続が可能になる。まさに超小型のスマホというわけだ。

ただし、高機能であるがゆえに消費電力は大きい。ほぼ毎日、充電する必要があるという弱点は変わっていない。各社の工夫によりバッテリー駆動時間は伸びているものの、使い勝手を劇的に変えるには至っていないのが現状だ。

●増加してきた「ハイブリッド型」
○従来型腕時計をスマート化した「ハイブリッド型」

一方、従来型の腕時計をベースにスマート機能を搭載した「ハイブリッド型」のモデルも増えてきた。普通の腕時計とは異なる「コネクテッド」モデルとして、ラインアップするブランドが多い。

日本でも人気の高い「SKAGEN」(スカーゲン)ブランドも、新たなコネクテッドモデルを出展。スマホとBluetoothで接続し、電話やメールの着信時には通知してくれる。カメラのシャッターや音楽再生をリモコンのようにコントロールできる機能も搭載する。

元ソニーのスマートウォッチ開発者が立ち上げたというスウェーデンの「Kronaby」ブランドも、iPhoneやAndroidと連携するコネクテッドウォッチだ。価格帯は350〜600ユーロで、2017年秋には日本上陸も計画している。

カシオ計算機は「時刻補正」にスマホを利用するのが面白い。これまでの標準電波やGPSに加えて、スマホ経由でインターネットのタイムサーバーに接続し、世界のどこにいても正確に時間を合わせるという。

スマートウォッチの弱点だったバッテリー駆動時間だが、ハイブリッド型ではボタン電池で数カ月から1年以上動作するものが多く、従来型腕時計に近い使い勝手といえる。

注目は本体サイズだ。これまでは通信機能などの搭載によるサイズアップが避けられなかったが、薄型化が進んでいる。今後は従来型腕時計と見分けがつかない薄さのコネクテッドモデルが増えそうだ。

○伝統ある展示会にIT企業が進出

バーゼルワールド2017では、今後のスマートウォッチの躍進を予感させる出来事もあった。これまでスイスの伝統的なブランドが軒を並べていた展示会に、スマートフォンや家電で知られるサムスン電子が初めてブースを出展したのだ。

ここではスマートウォッチ「Gear S3」に機械式ムーブメントを組み込んだコンセプトを公開するなど、「サムスンのモバイル技術」と「スイスの伝統産業」の融合を強くアピールしていた。これを皮切りに、IT企業の進出が加速することになるのか注目したい。

(山口健太)