テレビ東京がNetflixと共同で制作する新たなドラマ枠「木ドラ25」の第一弾として、青野春秋のコミックを原作とするサスペンスドラマ『100万円の女たち』が、昨夜14日より開始した。これまで深夜の連続ドラマ枠「ドラマ24」で、『モテキ』『まほろ駅前番外地』などを手がけてきた五箇公貴プロデューサーが担当する、テレビ東京の本気を感じさせるドラマだ。

参考:RADWIMPS・野田洋次郎、俳優としての可能性は?

 本気を感じさせる理由はいくつかある。第一に、RADWIMPSの野田洋次郎がテレビドラマ初主演となっていること。劇中音楽を手がけた映画『君の名は。』の大ヒット、『NHK紅白歌合戦』(NHK総合)への出演と、その活躍は今さら説明する必要もないくらいだが、彼が映画『トイレのピエタ』で役者としても才能を発揮していたことは、まだ一般的にはあまり知られてはいない。今回の『100万円の女たち』は、いよいよ野田の演技力が多くの人に知れ渡るきっかけとなるドラマとも言える。

 野田が演じるのは、売れない小説家・道間慎。何者かの招待状を受け取って集まった5人の女たちが、彼の家に集まり共同生活を始めるのだが、その設定があまりにも謎だらけなことにも驚く。「100万円と謎の女たち」と題された第1話は、まさしくイントロダクション=手引きの意味合いが強く、ひたすら謎を張り巡らせていく回だった。まず、道間と5人の女たちの間には、以下のルールがある。

(1)女たちへの質問禁止
(2)女たちの部屋に入らない
(3)夕食は全員一緒に
(4)女たちの世話は道間がする
(5)家賃は毎月100万円

 女たちは、家の中では常に全裸の白川美波(福島リラ)、紅茶、読書、ヨガを愛する塚本ひとみ(松井玲奈)、口数の少ない小林佑希(我妻三輪子)、最年少で陰のある女子高生、鈴村みどり(武田玲奈)、大物のオーラを漂わせる開菜々果(新木優子)の5人。彼女たちの背景には何があるのか、第1話ではまったく触れられなかった。これから一人ひとりの謎が明らかになっていくのだろう。ほかにも、招待状の主は誰なのか、道間の家に毎日送られてくる「死ね」と書かれたファックスは何なのか、と謎は積もるばかりである。唯一わかったのは、道間の父親が殺人を犯した死刑囚であることくらい。道間の書く小説で誰も死ぬことがないのは、父親が殺人者だからだ。わかりやすさより、ミステリーとしてのカラーを重視した作風にも、制作陣の本気度を感じる。

 そんな陰りを帯びた道間を、野田はいたってナチュラルに演じている。女たちにすべてを見透かされているかのような彼は、翻弄されるままに、自身の人生を動かされていくのだろう。ミステリアスで、人の内側の淀みに焦点を当てたストーリーは、RADWIMPSの詞世界にも通じるところがある。野田の演技が自然なのは、彼が根底に抱いている世界観と共通する部分が、本作にあるからかもしれない。

 また、本作の音楽にも注目したい。街の空撮から、モダンな音楽に乗せて、道間と女たちの団欒風景を描いた海外ドラマのような冒頭シーンには目を見張るものがある。そして、コトリンゴによるエンディング曲「漂う感情」は、優しい歌声でドラマの世界観に溶け合い、劇中音楽を担当する堤裕介(Yusuke Tsutsumi)、SHINCO(スチャダラパー)は電子音楽とインダストリアルで時に牙を剥く。クリエイター陣も気合い十分だ。

 第2話では常に全裸の白川にスポットが当てられる。5人の女たちの謎が徐々に明らかになっていくにつれ、道間がどのような変貌を遂げるのかが、このドラマの見どころになるのだろう。(渡辺彰浩)