『T2 トレインスポッティング』公開中

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90年代カルチャーの象徴的作品として一世を風靡した映画『トレインスポッティング』のオリジナルキャストが再結集し、21年ぶりの続編『T2 トレインスポッティング』が公開中。

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果たして20年を経て同じ役に再挑戦したユアン・マクレガーたちは変わったのか変わってないのか?

続編やリブートが花盛りの昨今、映画の今と昔について20代、30代の映画好きのみなさんに語り合っていただきました!

薄:30代男性、『トレスポ2』は鑑賞済み
佐原:30代女性、『トレスポ2』はこれから観る。
大林:20代男性、映画のスーツ姿に目がないオシャレ男子
後藤:本企画の編集者

主演のユアンは「スター・ウォーズ」のオビ=ワンのイメージの方が強い

――『トレインスポッティング』が復活しましたけど、みなさんの世代では一作目ってご存じでした?

薄: 『トレスポ』はもうDVDのジャケットがすごく印象的で。

佐原: 当時はレイティングがかかってたましたよね。

薄: 確かR-15かな。

佐原: だから劇場で予告編とかは観てたけど、年齢的に観に行っちゃいけないんだな、大人の映画なのかなって思ってました(笑)。大学生くらいになってDVDで観て「ああ、面白いじゃん!」って。

薄: ユアン・マクレガーっていうと、どうしても『トレスポ』より「スター・ウォーズ・サーガ」のオビ=ワン・ケノービ役が僕らの世代のイメージですよね。

大林: 僕ら20代にもオビワンのイメージが強いです。

薄: 「スター・ウォーズ」からさかのぼったら『トレインスポッティング』に出会って、観てみたらスゴかった!

佐原: ユアンがすごい若いですよね。シュッとしてる。

薄: 思春期の頃って、古着とかに目覚めて下北沢とか高円寺に行ってみたり、カルチャー的なものに触れる機会が凄くありますよね。そんな中で『トレスポ』のスキニーパンツにコンバースを履いて、ぴちぴちTシャツを着てるスタイルがすごくスタイリッシュに見えたんですよ。

佐原: ええ!? 私は逆にすごい恥ずかしい恰好だなって思った(笑)。

後藤: ダサい? 私は20代の時に『トレスポ』観たんですけど、カッコよすぎて衝撃でしたよ。

佐原: そうなんだ! 当時は流行ったんだ!

後藤: 大流行りでした(笑)。それからも音楽にもハマってサントラも買いに行きましたね。

佐原: 曲はいいですよね。

薄:「曲は」って、余計に『トレスポ』ファッションをディスってない?

佐原:ほんとだ!(笑)

大林: 僕は『オーシャンズ11』のシリーズを観て、あんなにカッコいいスーツの着方があるんやって思ったんです。

小学校か中学校の時だったんですけど、僕のスタイリッシュのイメージはアレですね。現実にもあり得るファッションなんですけど、映画の衣装としてもキマッてますよね。

後藤: じゃあ、20年後にまたあの面子でやって欲しいですか?

大林: それはあります。ありますけど、メンバーだったバーニー・マックとかも亡くなってますし、『トレスポ』みたいな全員集合はムリですよね。

今、女性版の『オーシャンズ8』っていうのを作ってるみたいですけど。

――『オーシャンズ8』はサンドラ・ブロック演じる主人公がダニー・オーシャンの妹という設定で、時間軸としては続編みたいですね。マット・デイモンも出ます。

大林: そういうのは嬉しいですね! 『トレスポ』はまったく同じキャストでやってくれたから、好きだった人たちにはたまらないでしょうね。

佐原: 私が最初に映画の世界に憧れたのは、岩井俊二監督作品でした。

どのタイトルがっていうよりも、あの世界観が当時流行ってたんです。服装もそうだし、出てる女の子たちもすごく可愛いし。

薄:僕も『リリィシュシュのすべて』を観たのが渋谷のシネマライズのデビューだったんです。

上の世代の人だとシネマライズのイメージって『トレスポ』だったりすると思うんですけど、僕らの世代は『リリィシュシュ』だったり『青い春』だったり、カッコいい日本映画がかかってる劇場っていう憧れがありました。

後藤: 私の世代と全然違う! シネマライズは洋画の映画館だったのに!

佐原: 私たちは邦画の方が強い時代に育ったんで。オダギリジョーさんとかが出て来たり、邦画がキラキラしてましたよね。

後藤: 私たちは邦画が一番ダサいとされた時代に青春時代を送ったのね(笑)。

洋画のスターは、金曜ロードショーで刷り込まれた

大林: 僕らは世代的に、邦画ってドラマの映画版のイメージですね。まさに『木更津キャッツアイ』とか『踊る大捜査線』とか。

佐原: 逆に洋画のスターってテレビの金曜ロードショーとかで刷り込まれてるんですよ。『ターミネーター』『ミッション:インポッシブル』『エイリアン』『ランボー』『ロッキー』とか何回もやってましたし。

大林: 僕はテレビで散々『メン・イン・ブラック』を観ていて、小学生の時にオトンと一緒に『MIB2』を劇場に観に行きました。

それで映画館で観る体験にすごくハマりました。パンフレットもまだ家にあります。「スター・ウォーズ」のエピソード2もオトンと行ったんですけど、そっちはチューとかしてるんで気まずかった記憶ばっかり残ってます(笑)。

薄: シネマライズは「ああ、ミニシアターってこういうことか!」と衝撃でした。それまではデパートと一緒にあるようなシネコンしか知らなかったんで。

佐原: 今は亡きライズ……。私もハリウッド大作系よりミニシアター系を選んで観に行ってました。

ライズでリアルタイムで『トレスポ』を観た人が羨ましい。『T2 トレインスポッティング』観ても「今度はこのシーンがキター!」みたいなのあるのかしら。

――やっぱりイギー・ポップの曲がかかって走るところとかでしょうね。

佐原: ああ、やっぱ走るんだ! 『ターミネーター』でも「アイルビーバック」って言ってもらえると「キター!」って思いますよね。

『ミッション:インポッシブル』ならあのテーマ曲だし、「スター・ウォーズ」なら「フォースとともにあらんことを」みたいなセリフとか。

――『トレスポ』の4人では誰が贔屓とかお目立てありますか?

佐原: 私は金髪のシックボーイです。あのロクデナシ具合がすごいカッコいいなと思ってました。

薄: シックボーイ役のジョニーリーミラーってアンジェリーナ・ジョリーの昔の旦那さんですけど、最近は海外ドラマとか舞台がメインで、映画では久しぶりな感じがしますね。

佐原: 確かにユアン以外、あんまり『トレスポ』以外の代表作って思い浮かばない。あ、ロバート・カーライルには『フル・モンティ』があるか。

大林: 僕は007がダニエル・クレイグになったことが、すごいツボだったんです。

007シリーズってジェームズ・ボンドの役をいろんな人がやってるわけですけど、自分たちの時代の007っていう感じがすごかった。それまでのシリーズってもっと、家でこっそり見るようなものっていう印象だったんです。

佐原: わかる! ちょっとアダルティな感じでしたよね。

大林: タイプでいくと、それまでのボンドは燃え上がるような大人っていうイメージだったんですけど、ダニエル・クレイグは氷のようにクールなカッコよさ。

薄: なんかスナイパー感があるよね。

大林: あります、ありますね。

薄: 007って女たらし要素が先行しちゃってる感じがある中で、ダニエル・クレイグはちょっと違った。

佐原: 逆に私はダニエル・クレイグがどう女の人を口説いてくれるんだろうってすごく期待してたのに、意外なほど硬派だったから「なんだよ!」って思ったんだよね。

ボンドにはもっと女たらしでいて欲しい。口説いてる合間にスパイ活動みたいなのが007じゃないですか? でもわりとストイックに調査活動してんなーって。

薄: 007は代替わりするけど「インディ・ジョーンズ」なんかは昔は昔、今は今の良さがあるよね。

最初に観た時だとハリソン・フォードはまだちょっと若くて、でもオッサンの考古学者を演じていた。

今は実年齢にマッチして、スローな動きとかも似合ってきた感じがする。

『クリード』だと、ロッキーがもう引退していて、トレーナーとして後進を育てるっていう新しい姿が見られて面白かったです。主人公のクリードもロッキーの魂を受け継いでいく感じがよかった。

佐原: 確かに。『クリード』は違った目線の新しい作品としても観られるし、『ロッキー』の続編という観方もできますよね。

私がずっと同じ役を同じ人がやっていて、昔からカッコいいなと思ってるのは『ミッション:インポッシブル』のトムクルーズ。やっぱり期待にちゃんと応えてくれる感じがするじゃないですか。

薄: 応えるどころか、常に上回ってくるよね。

佐原: もはや超人ですよ。毎回「こんな画が撮れたんだ!」みたいな驚きをちゃんと提供してくれるのも凄い。

薄: トム・クルーズやスタローンって、歳を取って渋味が増すみたいなところを超えてきますよね。

逆に『トレスポ』はダメさも含めて変わらないのが愛らしいというか。「うわ、変わってねー」って。

「木更津」や「池袋ウエストゲートパーク」の20年後が観てみたい

薄:それこそ「木更津キャッツアイ」の20年後があったらこんな感じかなって思うレベルで、普通に中年になってるんですよ(笑)。

佐原: 「木更津」わかる! 確かに私たち世代の『トレスポ』はクドカンのドラマなのかもしれない。

薄: 「木更津」や「池袋ウエストゲートパーク」の20年後も観てみたいよね。

あのバカやってるところに憧れたあの人たちが、20年経っても変わってねえんだろうなって思うけど、よりバカらしさを愛おしく感じられそうで。僕らの上の世代にとっての『トレスポ』と『トレスポ2』みたいになるんじゃないかな。

佐原: ユアンってイケメンでもあるし、美少年系にも振れられるし、身体を作ればそれなりにアクションも行けるし『ムーラン・ルージュ』では歌も歌うし、振れ幅が広いですよね。

私がユアン・マクレガーが一番カッコいいと思うのは『ミス・ポター』の編集者役なんですけど。

大林: 去年の『MILES AHEAD/マイルス・デイヴィス 空白の5年間』だとコメディリリーフみたいな記者役でしたね。ドン・チードルにどつかれるお間抜けキャラ。

薄: ユアンってもう万能ですよ。

佐原: スターって同じイメージをキープしようとするけれど、ユアンは役者って感じがする。

大林: だから20年間でいろんな役をやりまくったユアンがどんなレイトンを演じるのかには興味あります。

佐原: でもシックボーイが剥げてきてるのはリアルだなー。あの金髪がカッコよかったのに、今回はハゲたままやってるんですよね(笑)。

薄: ロバート・カーライルもオッサン感が半端ない。もう50歳だから当然なんだけど。

佐原: でも『トレスポ』の無鉄砲さだったり、無計画さだったりを楽しめる感じは男性特有ですよ。たぶん女性が集まってもあんな風にはならない。一作目を観た時も、自分とは関係のない世界だから楽しめるみたいなところありましたもん。

薄: 女性はその時々の楽しさを引きずらないよね。30代なら30代、40代には40代の楽しさを見つけるというか。男の場合は昔をずっと引きずっちゃう。

佐原: ずっと週刊少年ジャンプとか読み続けられるのもソレですよね!(笑)。

小学生から読み始めて、40代になっても読んでる人いるじゃないですか。いつの時代も少年の輝きってこと?

後藤: 女の人って、ある時点から昔読んだ恋愛マンガとか物足らなくなりますよね。結局、男性はロマンティストってことなんですかね。

佐原: 女はもっとバサバサ切っていく。「セックス・アンド・ザ・シティ」なんかは長くやってる間に生活環境も変わるし、付き合う人も変わっていく。引きずるっていうのとは違いますよね。

薄: どんどん考え方も変わっていく感じ?

佐原: そうですね。今は今。あの頃に戻りたいとかはないですよ。だから『T2 トレインスポッティング』は今のユアン・マクレガーを愛でたい感じです。「男って20年経ってもバカだなあ」って思うんでしょうけど(笑)。

今も昔も変わらない驚異の存在感で走り続けるトム・クルーズのような大スターと、20年の歳月の重みをまるごとパッケージしてみせた『T2 トレインスポッティング』の面々。

方向性は真逆かも知れないが、いずれも昔も今も映画を観つづけているからこそ味わえる醍醐味だといえる。

できることならさらに今から20年後になっても、芸能ニュースではなく映画のスクリーンで彼らの活躍を目撃したいものである。