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千葉大学大学院医学研究院 真鍋一郎教授、自治医科大学 永井良三学長、東京大学大学院医学系研究科 藤生克仁特任助教/科学技術振興機構(JST)さきがけ研究者、九州大学大学院理学研究院・岩見真吾准教授の研究グループは、心不全に係わる新しいメカニズムを解明したことを発表した。この成果は4月10日(ロンドン時間)、英国の学術誌「Nature Medicine」オンライン版に掲載された。

日本国内では心不全が増加し続けており、新しい治療法の開発が望まれている。腎臓機能の低下(慢性腎臓病)は、心臓病を増やしたり悪化させたりする一方で、心臓病も腎臓病を悪化させることから、心臓病と腎臓病とはさまざまなメカニズムでお互いに関連し合っていると考えられている(心腎連関)。

このたび研究グループは、心臓ー脳ー腎臓をつなぐ新しい臓器の連結機構(ネットワーク)を見いだした。この臓器ネットワークは、心臓をストレスから守る重要なメカニズムであり、実際にマウス実験において同ネットワークがうまく働かないようにすると、マウスは心不全を発症するという。

今回、心臓を守る臓器ネットワークが、神経と腎臓由来の生理活性分子(コロニー刺激因子)によってつながっていることを見いだした。心臓では、免疫細胞の一種であるマ クロファージが重要で、心筋細胞の働きを助ける「タンパク質」(アンフィレグリン)を提供して心臓の機能を維持していることを発見したという。

このタンパク質を働かなくしたマウスは心不全になりやすく、また心不全を発症したマウスにこのタンパク質を投与することで心不全を改善した。このタンパク質および心臓ー脳ー腎臓をつなぐメカニズムは、心不全や慢性腎臓病の新たな治療法の開発へ結びつくことが期待され、今後も実用化に向けて開発を進めていくとしている。

(早川厚志)