琉球ドラゴンの創始者、グルクンマスク

写真拡大

 本連載で紹介しているローカルプロレス団体の多くは、地域から有形・無形の支援を受けて活動している。しかし、ローカルプロレス団体はただ助けられるだけでなく、地域へ様々な貢献をしていることは意外と知られていない。

 今回は、そんなローカルプロレス団体の社会貢献活動を紹介しよう。

◆社会貢献活動の基本、募金活動

 最もよく見られるのが、募金活動だ。チラシを配ったり、リング上から活動内容の説明をしたりして募金を募る。単純に募るだけではなく、選手の私物オークションや、グッズ・入場料収益から寄付することもある。

 対象は様々だ。最も多いのが地震や洪水などの自然災害を受けた地域・自治体への支援金だ。被災地出身の選手が呼びかけることは珍しくない。

 継続して支援を募る場合もある。例えばローカルプロレスの老舗のひとつ、大阪プロレスは骨髄バンクへの募金とドナー登録の啓蒙活動を、北海道の団体・北都プロレスは盲導犬協会への寄付と募金活動を長く続けている。

◆少女の心臓移植費用募金に協力

 個人の、それも命を支援する場合もある。沖縄の団体・琉球ドラゴンプロレスリングは、ある少女の募金活動に協力した。目的は心臓移植費用だ。その少女は生後間もなく難病・拡張型心筋症と診断されたが、日本国内での移植が難しく、補助人工心臓で命を繋ぎつつ、海外で移植を受けるしかなかった。

 琉球ドラゴンは費用を募る活動に協力。会場に募金箱を設置したり、グッズが当たるクジの売上を寄付したりした。様々な人々から支援が集まった結果、その少女は心臓移植を受け現在リハビリ中だ。

 琉球ドラゴンはまた、児童養護施設でのプロレス興行も開催している。フリーマーケットや模擬店などアトラクションが楽しめる一般開放イベントにおもむき、実際にリングを組んで試合をするのだ。

 来場者は試合を楽しんでから寄付や買い物でお金を落とす。それが施設の運営費の一助となる。

 愛知県の団体「チームでら」も、リングではないがマットプロレスを児童養護施設で開催している。

◆クーポン券の雨を降らす!

 経済面で地域に貢献する団体もある。

 愛知県名古屋市の今池商店街主催の団体・今池プロレスだ。チャンピオンの「マグナム今池」が試合に勝利すると、天から紙幣「マグナムドル」が降り注ぐのが定番となっている。

 紙幣の形をしているが、実は今池商店街の提携各店で使えるクーポン券だ。観戦帰りに感想を肴に飲むのはスポーツファンの至福の時間だが、観戦も飲食も同じ商店街内でワンストップで楽しめるようにするアイデアだ。

◆障害者雇用に乗り出す団体も

 支援されるだけでなく、逆に支援する側に回った団体もある。神奈川県川崎市を拠点とする、プロレスリングHEAT-UPだ。

 代表でエース選手の田村和宏は姉が障害をもっていることから、障害者の労働環境や賃金についての厳しい現状を知っている。そこで寄付だけでなく、就労体験を実施した。チラシ配布やイスの雑巾がけなどに障害者を雇用し、健常者と同額の賃金を支払っている。

 ある大会の給与は5,000円(4時間)。一般企業で就労することが困難な者を対象にした、就労継続支援B型事業所の平成27年度平均工賃が”月額”15,033円(※厚生労働省調べ)だと言えば、この取組みがいかに大きいかが分かるだろう。

◆大会では「プロレスマルシェ」も

 また、HEAT-UPは川崎市での大会では「プロレスマルシェ」としてロビーに商業スペースを設置することがある。障害者施設で作られた小物や、川崎の農産物の販売店、ストレッチ店のショートプログラム体験コーナーなどの、いわばミニ川崎物産展だ。