浦和レッズMF関根貴大

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 気付けばプロ4年目を迎えた。トップチームに昇格した14年から出場機会をつかみ取った浦和レッズMF関根貴大は、今季も持ち味のドリブルで守備網を切り裂き、チームの好機を拡大させるなど存在感を示している。そして、今のプレースタイルはプロ1年目とは異なると、胸を張って答えた。ドリブラーはどのような進化を遂げているのだろうか――。

ボールを持てば歓声が変わる

埼スタでのプレーは本当に気持ちが良い

――プロ4年目のシーズンを過ごしていますが、トップチーム昇格初年度から出場機会をつかみ、その後はレギュラーに定着と順調にプロサッカー人生を歩んでいるように思います。

「プロになる前は想像してなかったですね、今の状況は。けど、本当にこのチームで試合に出るのが何よりも難しいと思っていたので、試合に出られるようになったら、通用するはずだという自信は最初からありました。2年目に6ゴール8アシストと結果を残せて、3年目の昨季は2ゴール6アシストと数字は落ちましたが、チームのサッカーに慣れてきて、守備面や90分を通してのパフォーマンスなどで、手応えを徐々につかめるようになってきました。ただ、そこからさらに上のプレーをしなければいけないし、今までと同じようなことをしていてもいけません。結果を1つ出しても、2つ、3つ、4つと継続的に出していかないといけないというのは、今までとは違うところかなと思います」

――今年は序盤から得点によく絡んでいます。

「今年は最初から、得点に絡むという部分はある程度できているとは思いますね。でも今までと違うのは、相手と対面したとき、面と向かっての1対1ではそんなに抜けていないし、深い位置までえぐってという場面や、一気に縦に抜けて相手を振り切ってのクロスというのもあまりありません。もちろん1対1でどうにかしようと思うシーンはあるけど、どちらかと言うと、左足で上げたり、抜き切る前にクロスを送ったり、ワンツーで抜け出したりというのが今年は多いと思います。抜き切らなくても他の選択肢でチャンスを作れれば、相手も縦を切っているだけでは意味がなくなるので、今は攻撃のバリエーションが自分の中でも増えてきているという実感があります」

―J1リーグ第3節甲府戦では左足から送ったクロスで武藤雄樹選手の得点をアシストしました。そのときのガッツポーズが、とても印象的でした。

「今年は、縦に抜かずにクロスの質でアシストを増やすというのを目標の一つにしていました。練習ではずっとフィーリングが良かったけど、試合ではなかなか出せていなかったので、それがゴールにつながったのは本当にうれしかった。これをベースにして、平均的にああいうボールを上げられるようになれば、相手はどうやって対応したらいいか分からなくなるだろうと思っています」

――今季は右アウトサイドでの起用が続いていますが、昨季は左でも起用される試合がありました。

「右と左では体の向きから何もかも真逆になるので、感覚が本当に違います。でも、頭の中で右と左のイメージを変えて、同じようなプレーをしようとは思っていません。左サイドでプレーすると中に行きやすくなるし、ボールを受けやすくなるので、縦に行く回数は減りますが、中に入ってからの崩しは右よりもやれると思います」

――左だと中に行きやすいけど、縦には抜けにくい?

「いや、右足で持ち出せて一気に抜けるので、左サイドの方が縦に行きやすいイメージですね。右サイドだと、左足では持ち出しにくくて、右足で突いてコントロールすることになるので、縦に抜けるのは結構難しいです。突破した後のクロスも、左足だと変に力んで速いボールを上げずに、フワリとしたボールやチップキックで上げるので、左サイドでプレーした方が蹴りやすいというイメージはあります」

――右でのプレーが続いているので、右の方がプレーしやすいと思っていましたが。

「いや、それが左で勝負できるなら、左で勝負したいんですよ。切れ込んで利き足の右足でシュートを打てるし、中に入って行ってボールを受けやすいし、ドリブルもしやすい。だから、『どっちでもいいよ』と言われたら、『じゃあ、左で』って言います。今はずっと右でプレーしているけど、練習からずっと左でやれるなら、左で試したいこともあるんですよね」

――右に比べて左でのプレー経験が少ないから、左での課題がなかなか見えてこない?

「右ではずっとプレーしてきたので、いろいろ乗り越えてきたものはありますが、左だとどこで仕掛けて、どこで簡単に周りを使うかとか分からない部分もあるし、多分、右でプレーするよりも視野が広くなって味方がどこにいるか見えやすいから、リスクを冒さないプレーが多くなるかもしれないと思っていて、個のプレー、個での突破が減るかもしれない怖さはありますね」

――以前、ボールを持ったときにワクワクしてもらえるような選手になりたいと話していましたが、ボールを持ったときのサポーターの反応はピッチ上で感じられますか。

「すごく感じますよ。特に埼スタでは、ボールを持ったときに歓声が変わったと感じるし、『行け、行け、行けー!!』って、行っちゃえ感が伝わってきます。だから、本当にホームだなと感じるし、埼スタで多くのファン・サポーターの前でプレーできるのは本当に気持ちが良いです」

――1対1では無類の強さを見せていますが、対戦相手で抜きにくい選手は?

「1対1で抜けなさそうなイメージは川崎フロンターレの車屋紳太郎選手ですね。間合いの取り方がうまいし、シンプルに対応が速い。今年に入って、フロンターレと練習試合をしたことがありましたが、抜けるというイメージがちょっと湧きませんでした。何をやっても対応してくるし、攻撃面もいいから、対戦するたびに嫌な相手だなと感じます。けど、そういう選手を相手にしたときこそ、ボールを受ける前に決着がつくようなポジショニングを取れるようにしないといけないし、周囲との連係や動き直し、オフ・ザ・ボールの動きが重要になってくると思います」

――今後こういう選手になっていきたいという理想像を、現時点ではどう描いていますか。

「漠然とですけど、海外でプレーしてみたいという気持ちはあります。日本ではある程度自信もついてきたし、良い意味で慣れてきたと思っていますが、海外で自分がどれだけ通用するか分からないじゃないですか。もしかしたら、何も通用せずに木っ端みじんにやられるかもしれないし、通用する部分があるかもしれない。壁はもちろんあるだろうけど、それをうまく乗り越えていけるかもしれない。行ってみないと分からないと思うので、海外に行くことを目標にしながらやっている部分はあります。そういう意味では、上海上港のフッキ選手のフィジカルは体験したかったですね。ACLで対戦したとき、アウェー戦で僕は出ていなかったけど、(駒井)善成くんが吹っ飛ばされたインパクトが強過ぎて。僕も体を当てたら吹っ飛ばされると思うけど、タイミング良く、相手の力が抜けているときに当たったら、もしかしたら少しは相手が怯むかもしれない。Jリーグではなかなか体験できないフィジカルを持っている選手だし、想像しかできない部分なので、そういう相手とドンドン対戦してみたいですね」

――ただ、海外に行くとすれば、浦和でのさらなる成長が不可欠だと思います。

「今は得点に絡めていますが、本当に緊迫した試合でアシストやゴールという結果を残せる選手が、相手にとって一番嫌な選手になると思うので、大一番や1点が必要な試合で結果を出せる選手になりたいですね。ファン・サポーターを含めて日本でここより良いクラブはないと思っているので、ここで成長するだけでなくチームの勝利に貢献して、将来的に海外に行くことがあったら、しっかりクラブに移籍金を残していける選手になっているように(笑)、レベルアップしていきたいです」

――最後に新しいデザインとなったスパイク「マーキュリアル」の印象を教えて下さい。

「ウイングバックをやっているので、走力を助けてくれるスパイク、また世界のトップドリブラーが履いているイメージがあるので、自分の特長でもあるドリブルやスピードを引き出してくれるスパイクです」

(取材・文 折戸岳彦)