パンの歴史を考えてみる

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いまや私たちの暮らしにはパン食は欠かせないものとなっています。それでも、もともと西洋由来のパンがどのように、日本文化の中に根付いていったのでしょうか。その歴史について写真などのビジュアル資料を駆使しながらていねいな解説をほどこした本が、小泉和子編著による「パンと昭和」(河出書房新社)です。

ハイカラだったパン

パン食といえば、戦後の食料事情が悪い時代に、アメリカから小麦粉が援助され、学校給食でパン食が推進されたイメージがあります。しかしこれは正しい歴史ではありません。最初は明治時代に軍隊の食事としてパン食が広まったそうです。当時のパンはロシアやドイツなどのスタイルが用いられていました。これが一部の市民にも知れ渡るようになり、パン食はハイカラな食事として重宝されるようになります。

戦時下のミックスパン

さらに、日本が戦争状態へ突入すると、米の節約がさけばれて、代用食としてパンの生産が推奨されます。この当時のパンは現在のような食パンではなく、小麦粉7割に対して、海藻やきなこ、魚粉などを加えて作る、ごちゃまでのパンだったようです。食べ物ひとつとっても複雑な歴史があるとわかるでしょう。