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●アウト軍団にもなれる評論家軍団
お笑いタレントの明石家さんまがMCを務めるフジテレビ系バラエティ番組『ホンマでっか!?TV』(毎週水曜21:00〜21:54)が、ここのところ堅調だ。視聴率は今年に入って6回連続で2ケタをキープし、苦戦する同局にあって、再びバラエティをけん引する存在となっている。

この復調の要因は何か。今後の展望を含め、演出を担当するフジテレビ第二制作センターの鈴木善貴氏に話を聞いた――。

○テーマ設定をより絞るように

さんまと、強烈なキャラクターを発揮する評論家軍団たちによる丁々発止のトークが見どころの同番組。2010年から現在のゴールデンタイムで放送され、長年にわたって定着してきた。その人気を支えるのは、評論家軍団が提供する「ホンマでっか!?」な情報から展開される、レギュラートークだ。

鈴木氏は「さんまさん、ブラックマヨネーズさん、マツコ・デラックスさん、磯野貴理子さん、島崎和歌子さん、それに評論家の先生方本当に全員が面白くて、視聴者の皆さんに見ていただいていたと思うんですけど、一時期2ケタ数字が思うように取れなくなり、『メール診断』など手を変え品を変え、新しいコーナーを入れていたんです」と振り返る。

しかし、ここにきて、再びレギュラートークの数字が上昇。鈴木氏は「やっぱり、先生方の言うことを何も考えずに聞けて、一番見やすいんです」と、その背景を分析する。ただ、最近ではそのテーマ選定に、工夫を凝らすようになったそう。「以前は『最新ダイエット事情』とタイトル付けしていたものを、『太る人・太らない人』という感じに、テーマをより絞るようにしたんです」と打ち明ける。

それに加え、多くの視聴者になじみのあるテーマ設定を心がけることも再確認。例を挙げると、「運は本当にあるのか」「誕生日で人生は変わるのか」「血液型で人生は変わるのか」といった内容を決めるのに、以前より1.5倍〜2倍くらいの時間をかけるようにしたそうだ。このような、一見非科学的なテーマでも、評論家軍団がさまざまな角度から科学的に解説することができるため、番組が成立していると言える。

○愛すべき評論家軍団

そんな評論家軍団たちは、あまりに個性的なキャラクターがそろっているため、さんまの格好の"餌食"に。「好かれる人・嫌われる人」というテーマで放送した際、心理学の植木理恵氏から「人間は多少"ほころび"がないと、嫌われてしまう」という情報を聞いたさんまが「確かに評論家の先生"ほころび"だらけですもんね。だから俺は好きやねん」と言ったほどだ。

鈴木氏は、愛すべき"アウト人"を紹介するバラエティ番組『アウト×デラックス』(毎週木曜23:00〜23:30)も担当しているが、「『ホンマでっか!?TV』がなかったら、先生方は全員『アウト×デラックスに出られると思います(笑)」と、そのキャラクター性を絶賛。

だが、難しいことを分かりやすく解説する能力に感服しており、友人や家族に評論家軍団たちについて聞かれると「一言『天才』としか言わないです」と答えるそう。番組の性質上、どうしてもキャラがクローズアップされがちなところを、スペシャルなどで評論家たちの普段の側面を紹介するVTRを放送することで、「先生たちのすごさを少しでも伝えられたら」と、リスペクトの姿勢を忘れない。

●裏の日テレ新番組は「怖いです」
○さんまのMCは「まるで手品」

一方、この番組の大黒柱である、さんまについて、鈴木氏は「評論家の皆さんは自説を曲げられない戦いもしているので、一触即発になりそうなピリつく場面もあるんです。でも、さんまさんという"パパ"が、悲劇にならないように喜劇で収めてくれるというところが本当にすごい。安心させていただいています」と、その役割に感謝。

評論家軍団と食事会を行うと、必ず「やっぱりさんまさんはすごい」という話題になるそうで、情報をより分かりやすく消化して視聴者に伝えつつ、きちんと自分で落として笑いを起こす姿に「まるで手品のような、素晴らしい芸を見ているよう」と、ほれぼれするそうだ。

ちなみに、現在のバラエティでは、面白い発言を強調するために、ボイスフォローのテロップを入れるのが主流だが、さんまの発言でそれが行われるのは、この番組だけ。その理由について、鈴木氏は「情報量が多いわりにlわりと早いテンポの編集にしているので、今何を言ったのかが分からなくてストレスにならないように、テロップを入れることを決めたんです」と明かす。「さんまさんにも納得いただいているんで、そのためにもこの番組は頑張らないとと思ってます」と、"特例"ゆえのプレッシャーも感じているようだ。

この4月で、放送開始7年半を迎え、長寿番組の域に入ってきているが、その分パネラーも芸歴を重ね、ブラマヨ、マツコ、磯野貴理子、島崎和歌子という、単独でMCを張れる豪華出演陣が並ぶ。さんまは「バルササッカーみたいやな」と例え、鈴木氏も「パネラーアベンジャーズです」という最強メンバーをそろえるだけに、今後も「味を足しすぎて、説明過多になると素材の良さが減り、視聴者の皆さんも何を見ていいか混乱するので、評論家の『ホンマでっか!?』な情報を、いかに純粋のままアプローチを変えて見せるか」という姿勢を守っていく考えだ。

ただ、このメンバーをパネラーだけにしておくのはもったいないということで、最近では互いに意見をぶつけ合う「アナタはどっち派?」コーナーも導入。「より番組の幅を広げていきたい」と狙いを語る。

○裏番組対策「動き始めています」

4月からは、裏の日本テレビが、長年放送してきた『ザ!世界仰天ニュース』から、『今夜くらべてみました』に変わるが、「怖いです。日テレさんのことなので、先を見据えた仕掛けを展開すると思っていますから、こちらも新企画をいくつか考えていて、動き始めています」と対策を練っていることを明かした。

きょう5日(21:00〜22:54)放送の「春の終活応援フェア!最期まで笑って逝こうぜSP」では、関根麻里が所ジョージを連れて「60歳を過ぎた所さんが、ゲラゲラ笑って最期を迎えるにはどうしたらよいでしょうか?」と、付き添い人生相談。「所さんは『なんだその悩みは』って言うんですけど(笑)、そこから皆さん死に対する思いとか、孫がいた方が良いのかとか、さんまさんは葬式を盛大にやりたいとか、興味深い話がいっぱい出てきました」と見どころを語る。

さらに、新ドラマ『人は見た目が100パーセント』に出演する桐谷美玲と水川あさみも登場し、「春の危ない習慣」について取り上げる。鈴木氏は「放送後の反響が楽しみです」と収録の手応えを話している。

(中島優)