超特急

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 4月26日にリリースされる超特急のニューシングル『超ネバギバDANCE』。タイトル曲は、先日掲載のインタビューでメンバーが「聴けば聴くほど『超特急っぽい!』」(ユーキ)と語っているとおり、彼らの現時点での集大成といえる渾身の一曲だ(参考:超特急が語る、成長への実感と確かなグループ像「夢を追いかける姿をそのまま見てもらいたい」)。

 史上初の“メインダンサー&バックボーカル”グループとして活動してきた超特急が、初めて曲名に“ダンス”を取り入れたこの曲には、これまで彼らが積み上げてきた経験と自信が明確に表れている。先日公開されたMVやイベントなどでのパフォーマンスからもそれはうかがえるが、今回は主にダンス面に込められたメッセージに注目したい。

 すでにこの曲のパフォーマンスを観ている8号車(=超特急ファン)も、この曲の“超特急っぽさ”に気付いていることと思うが、なぜこの曲が“ぽい”のか? それは既発曲でも取り入れられている動きが随所にコラージュされているからだと推測される。

 例えば彼らのグループ名にちなんだ電車に関連する振りでいうと、イントロ部分の車掌風の敬礼は、3rdシングル曲「POLICEMEN」のイントロや、初期の彼らのテーマソングとも言うべき「Secret Express」(2ndシングル『Shake body』)のサビ終わりなどでも使われている印象的なポーズ。また、間奏部分に登場するラッシュ時の乗客のパントマイムのような動きは「Rush Hour」(シングル『ikki!!!!!i!!』超!世直し盤)にも登場する。

 他にもイントロでのハンドクラップしながらウエストを固定して上半身で円を描くような振りは、7thシングル「Believe×Believe」の<Dan・Dan・Dan・Dan Down? Down? Down? Down?>部分に、<リアルとギークのARCHIVE>での両手の人差し指を立てる仕草は「Billion Beats」(1stアルバム『RING』)でもおなじみ。サビの<超 超 NEVER GIVE UP DANCE>での腕を伸ばす大きな振りは、「Pretty Girl」(『Believe×Believe』B 冒険盤)のサビ部分、掛け声の<Do it!Do it!>での動きは「We Can Do It!」(『Believe×Believe』A ビリビリ盤)のイントロ部分でも見られるもの。ついでに言えば、アクロバットを得意とするユーキが5thシングル曲「Kiss Me Baby」などで見せてきた“お家芸”のバク転までが組み込まれている。これらの動きにサブリミナル的な効果があり、知らず知らずのうちにこれまでの超特急の楽曲やパフォーマンスを思い出させるのだ。

 彼らやスタッフはブログやTwitterなどさまざまな場所で“この曲でオリコン1位を狙っていく”ことを示唆しているが、そのためには8号車以外の幅広い層に向けてもこれまで以上に記憶に残る楽曲&パフォーマンスが必要だ。そういう意味で、ダンスの面で絶妙にインパクトがあるのがサビ前の<野を越え 山越え 海さえ越えて超特急 不条理なほど滾るぜ 燃えるぜ 超特急〜>の部分。先日メンバーのユーキとユースケがLINE LIVEで同曲のこの振付の覚え方を“まぜ まぜ まぜ(両手を交互にクロス)→階段登って(両手を交互に少しづつ上げて)→くるりんちょ(頭の上で手を裏返す)→こんにちは(右手上げ) こんにちは(左手上げ)”と独特だが、わかりやすい表現で解説していた。うがった見方かもしれないが、彼らが結成以降、新大久保でのストリートライブなどを皮切りに地道なリリースイベントを経て世間での認知度を高めてきた過程が、同曲の歌詞はもちろん、身体の低い位置から高い位置を目指してスライドしていく振付にも表れているようで興味深い。

 振付以外では、同曲のMVに各メンバーのソロパートがふんだんに織り込まれているのもポイントだ。タクヤやユースケはグループ加入前にダンスを経験しておらず、初期には戸惑いや焦りもあったという点を鑑みると、2人が見せる楽しげな表情や身に付けたテクニックを詰め込んだソロパートはとても感慨深い。

 超特急はこれまで、シングル表題曲のパフォーマンスにおいてセンターとなるメンバーを設けてきたが、この曲には具体的なセンターはいないという。ここ最近はタクヤがドラマ『兄に愛されすぎて困ってます』(日本テレビ系)に出演するなど、メンバーそれぞれが映画やドラマ、バラエティ番組などへ進出しているが、そういった個人活動の成果がこの曲に集約されているとも言えるだろう。

 1〜7号車を意味するプレートをあしらったコスチュームで、“お山”=シーンのトップを目指して踊る超特急。彼らがテーマにしてきた“ダサカッコいい”見せ方を逆手に取ったインパクト系ダンスに世間がどう反応するのか、注目していきたい。(古知屋ジュン)