驚異的な回復力だ。先場所、大怪我を負いながら、逆転優勝を飾った横綱・稀勢の里(30)。「左大胸筋損傷、左上腕二頭筋損傷で約1カ月の療養が必要」な状態だが、今月3日には早くも稽古を再開している。

「現在、取材陣は田子ノ浦部屋に入れないが、まわしを締めて四股を踏んだりしている」(相撲ジャーナリスト)

 4月2日から始まった春巡業は休場しているが、横綱になって初の地元凱旋となる、16日の茨城・常陸大宮場所、17日の靖国神社奉納をめどに復帰するのでは、という見方もある。

「30歳だが、これまで大きな怪我もなく、肉体はいたって若い。2年前から取り入れた『PNF』という療法の効果もあり、回復の早さは周りが驚くほど。先代師匠(元横綱・隆の里)の『怪我は土俵で治せ。稽古を一日休めば戻すのに3日、3日休めば1カ月かかる』という教えも身に沁みついているから、じっとしていられないのだろう」(同)

 PNFとは、筋肉に対して適切な負荷量を与えることにより、神経筋の反応を向上させることだ。

 5日、西岩親方(元関脇・若の里)を直撃すると、「(怪我は)だいぶよくなってきているんじゃないかな」と応じてくれた。

 その後、ジャージ姿の稀勢の里が部屋から出てきた。「怪我の具合は?」と問いかけると、口を真一文字に結び、首を軽く縦に2回振るのみ。無言のままタクシーに乗り、部屋を後にした。

「左腕が使えなければ、足と右腕を鍛えればいいと、稽古に励んでいる」(相撲記者)という稀勢の里。見据えるのは、3連覇のかかる五月場所だ。

(週刊FLASH 2017年4月25日号)