今映画界が注目するドゥニ・ヴィルヌーヴ監督が来日中!

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 エイミー・アダムス主演のSF感動作『メッセージ』を引っ提げ来日中のドゥニ・ヴィルヌーヴ監督が13日、六本木で行われた同作トークショーに来場。今秋に日本公開予定の『ブレードランナー』続編『ブレードランナー2049』でもメガホンを取っているヴィルヌーヴ監督は、日本のファンを前に現在の製作状況を語る一幕もあった。

 司会者からその『ブレードランナー2049』について質問されると、「今、お話しできる内容はつまらないかもしれない。だって何も話すことはできないからね」と牽制(けんせい)しつつも、「ただ編集はそろそろ終わりそうな段階。SFX(特殊効果)もかなり膨大な数にのぼるけど、それも終わりそう。今は音を付けているところなんだ。僕にとって、もっとも野心的な作品となった。早く皆さんに見せたいよ!」と笑顔を見せた。

 さらに「『メッセージ』と『ブレードランナー2049』には共通した部分があるんだ」と続けると、「それは(合成する映像を撮影するための)グリーンバックを使っていないということ。実は、僕はグリーンバックが好きじゃなくて。ちゃんと本物のセットを組んでいるし、車両もできるだけ本物を使って、役者には芝居をしてもらっている。超大作ということで、そういう形で撮ることができたのは夢が叶ったような気持ちがするよ」と晴れやかな顔を見せた。

 『メッセージ』から『ブレードランナー2049』、さらにはその後の監督作にリブート版『砂の惑星』とSF作品が続いているヴィルヌーヴ監督は、「若い頃からSFが大好きで、30年間、ずっとSFを撮りたいと思っていたんだ」とコメント。本年度アカデミー賞8部門にノミネートされた『メッセージ』は、SFドラマでありながらも哲学的な人間ドラマの側面を持つところが高く評価されたが、「フレッシュなアプローチの作品に出会えることはなかなかないんだけど、ようやくこの作品に巡り会えた。この作品は、SFというカテゴリーでありながら、人間ドラマになっているところに惹かれたし、脚色に関してもかなり練り上げた」と満足げな表情を浮かべる。

 また、この日の観客は、映画学校の学生たちとあって、その中の一人から「撮影をしている時は楽しいんですが、準備をしている時に逃げ出したくなることがある。監督はそういうことはありますか?」と質問されると、「僕は撮影の時にパニックに陥るね」と返答するヴィルヌーヴ監督。「それは答えがない状況だからそうなるんだと思うんだけど、僕が映画作家として学んだことは、そういう状態を味方にしてしまえということだ。答えがない状況がむしろ居心地がいいと思えるようになれば、逆にパワフルになり、すばらしいものが生まれてくる」とアドバイスしつつも、「でも準備は好きになった方がいいかもね」と付け加え、笑ってみせた。そんなヴィルヌーヴ監督の言葉に、ゲストとして来場していたタレントの関根麻里も「監督の映画に対する情熱や愛情を感じますね」と感心した様子だった。(取材・文:壬生智裕)

映画『メッセージ』は5月19日よりTOHOシネマズ六本木ヒルズほか全国公開