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音楽ブロガー・レジーが、「ミュージックステーション」の放送内容を基に最新のJ-POP事情についてお届けする連載「月刊 レジーのMステ定点観測」。3月のMステは通常放送が1回(17日)と3時間スペシャルが1回(31日)放送されました。前後編でお届けする今回、衝撃的だったこちらのパフォーマンスの話題からどうぞ。


 


「景気が良いのAKBだけ!」の裏側(1):ゴールデンボンバー


31日の3時間スペシャルで新曲「#CDが売れないこんな世の中じゃ」を披露したゴールデンボンバー。反町隆史「POISON 〜言いたい事も言えないこんな世の中は〜」をもじったタイトルの曲ということで歌詞の中に“POISON”というフレーズが出てくるなど、鬼龍院 翔の90年代ラバーぶりがうかがえる楽曲です。


歌われているのはCDが売れなくなっている昨今の時代状況についてで、この日は“CDの総売り上げ全盛期の1/3”という歌詞に合わせてフリップを使って統計データを見せるなど斬新なパフォーマンスを展開。


さらにそのフリップで「QRコードリーダーを起動して下さい。」という手書きのメッセージが示されたかと思うと、1番が終わったタイミングで「どうせCDが売れないこんな時代だから、見てる皆さんに無料であげるよ!読み込みやがれ!」というキリショーの叫びとともに画面にはQRコードが提示されました。


アクセスするとこの曲をダウンロードできるページにとべるこのQRコードは曲が終わるまで様々な場所に執拗に掲示され(アンプの側面やカメラマンの背中など)、最後にはR-1グランプリでチャンピオンとなったアキラ100%が登場して股間の前で回転させたお盆の裏側のQRコードを見せてくれました。


歌唱前にキリショーは「スマホ片手にぜひ見てください」と語っていましたが、まさかこんなことをやるための伏線だったとは……音源の無料配布というのはパッケージの販売が厳しくなっているなかで普通に行われるようになった施策ですが、それをこういったエンターテインメントに昇華してしまうこの人たちは本当にすごいと思います。


しかもこれをやるにあたって「QRコードで楽曲をダウンロードさせる」というアイデアの根幹となる部分についてチーム内でトラブルがあったらしく(一部販促物でQRコードが漏れてしまっていたとのこと)、それをリカバーするために凄まじいまでの機転と行動力を発揮した旨がMステ放送後のブログに綴られていました。社会的な問題提起をあくまでも楽しく行うというこの日のステージは、間違いなくMステの歴史に残るものとなるでしょう。


「#CDが売れないこんな世の中じゃ」の歌詞には“景気が良いのAKBだけ!”というフレーズが出てきますが、ではそのAKBは現状どんな感じなのかということで、今月の関連グループの状況について取り上げたいと思います。


 


「景気が良いのAKBだけ!」の裏側(2):AKB48、坂道AKB、乃木坂46


ゴールデンボンバーと同じく31日のMステに出演していたのがAKB48。この日は1期生の数少ない生き残り(現時点で峯岸みなみとふたりだけです)でもある小嶋陽菜の卒業前ラストMステということで、彼女がプロデュースするステージが約5分半展開されました。


「スカート、ひらり」を現時点でのグループの中心人物7人とも言うべきメンバー(小嶋陽菜、指原莉乃、渡辺麻友、松井珠理奈、山本彩、柏木由紀、横山由依)で披露すると、続いては劇場公演から生まれた人気曲「ハート型ウィルス」をメイク室風のセットの中で衣装の早着替えを行ったりしながらひとりでパフォーマンス。その後の「シュートサイン」では100人を超す大勢の後輩を従えて歌い踊り、万感の表情で深々とお辞儀をしてステージを終えました。


先日代々木競技場第一体育館で行われた「こじまつり」でもステージをプロデュースするなど、人前に出るだけでなく裏方としても才能を発揮する彼女が、この先どんなキャリアを積んでいくのかとても楽しみです。


他の48グループの卒業生とはまた違った形で「アイドルのその先」を見せてくれるのではないかと期待しています。欲を言えば、ファッショナブルな彼女の最後のシングルにはもう少しおしゃれな楽曲を当ててほしかったのですが……。


この日のMステには48グループと乃木坂46、欅坂46による合同ユニットの坂道AKBも出演していました。実はこの「48×46」の取り組みは初めてではなく、2年前に「君はメロディー」のカップリングとして乃木坂AKB「混ざり合うもの」という楽曲が発表されているのですが当時はほとんど話題になりませんでした。


このときの反省を踏まえてかどうかはわかりませんが、今回の坂道AKBはMステでの大々的なプロモーションが行われることとなりました。番組のトップバッターとして登場した彼女たちは、「シュートサイン」のカップリング曲として収録されている「誰のことを一番 愛してる?」をテレビ初披露。


センターに平手友梨奈、振り付けはTAKAHIROという欅坂46を想起させる布陣が組まれているこの曲ですが、いざパフォーマンスを見てみるとセンターの隣にいる松井珠理奈(SKE48)や最前列5人の右端で踊る堀 未央奈(乃木坂46)の存在感が際立っていました。


最近では平手さんをある種神格化するかのようなメディアのスタンスが目立っていますが(おそらくこの件は欅坂46が登場する来月のMステでも取り上げることになると思います)、他のメンバーも彼女と互角の(ともすれば凌駕するような)オーラを出すことができるのがわかるという点でとても意味のあるコラボになっていたのではないかと思います。


“景気が良いのAKBだけ!”とは言うものの、現時点での人気はもはや48グループを上回っているのが乃木坂46。17日のMステに出演した彼女たちは最新曲「インフルエンサー」を披露しました。


「高速ダンス」が売りのこの曲、ここ最近の乃木坂の楽曲とは少し趣が異なりますが、中心メンバーだった橋本奈々未の卒業を経てグループとしての新たな方向性を模索している最中なのかもしれません。


期待度の高い3期生のメディア露出も徐々に始まるなか、人気絶頂のこのグループはどこに向かうのでしょうか。


 


[前編]はここまで。[後編]では3月に多数出演した90年代組の話題などをお届けします。4月14日(金)の配信をお待ちください!


TEXT BY レジー(音楽ブロガー/ライター)


 


【2017年3月17日放送分 出演アーティスト】

乃木坂46「インフルエンサー」

加藤ミリヤ/屋比久知奈「どこまでも 〜How Far I’ll Go〜」

V6「Can’t Get Enough」

木村佳乃「君を呼ぶ場所」

flumpool「ラストコール」

Anly+スキマスイッチ=「この闇を照らす光のむこうに」

三代目 J Soul Brothers「HAPPY」

尾崎裕哉「サムデイ・スマイル」

ピコ太郎「I love you〜アフリカの風に乗せて〜」「ペンパイナッポーアッポーペン2017〜春〜Ver.」


【2017年3月31日放送分 「MUSIC STATION 3時間SP」出演アーティスト】

坂道AKB「誰のことを一番 愛してる?」

三浦大知「Darkest Before Dawn」

CHEMISTRY「PIECES OF A DREAM」

藤巻亮太「3月9日」

ゴールデンボンバー「#CDが売れないこんな世の中じゃ」

エレファントカシマシ「悲しみの果て」

Kis-My-Ft2「Tonight」

関ジャニ∞「なぐりガキBEAT」「がむしゃら行進曲」

ゆず「贈る詩」「タッタ」

Cocco「カウントダウン」

三代目 J Soul Brothers from EXILE TRIBE「MステSPメドレー 〜THE JSB WORLD〜」

尾崎裕哉「卒業」「27」

AKB48「小嶋陽菜 Mステ卒業メドレー」

浜崎あゆみ「TO BE」「ourselves」

X JAPAN「La Venus」「紅」