写真提供:マイナビニュース

写真拡大

KDDIとシスコシステムズは4月13日、ビデオ会議を中心にビジネスコミュニケーションを統合したクラウドサービス「Cisco Spark」の提供で協業し、7月からKDDIが「Cisco Spark」と「Cisco Spark Board」の販売を行うと発表した。

また、「Cisco Spark」コーリング (クラウドPBX機能) とKDDIの音声基盤を連携させる機能を開発し提供するという。これにより、固定電話回線や宅内電話交換機 (PBX) 等の設備なしで音声環境を実現する。このサービスでは、公衆交換電話網に接続でき、IP電話の050で始まる番号ではなく、通常の固定電話番号を利用できる。

シスコシステムズ 代表執行役員社長 鈴木みゆき氏は、両者の協業について、「日本政府は、一億総活躍社会の実現に向け様々な施策を講じているが、最大のチャレンジと位置付けるのが働き方改革だ。社会全体のデジタル化の流れを受け、働き方が多様化する中、会議のあり方も変化しているが、シスコは、場所や端末に依存せず、あらゆる会議形態を融合・統合した新しい会議のあり方を模索し、提案してきた。その結果が、『Cisco Spark Board』だ。シスコの強みは、グローバルでシェアNo.1の会議サービスで、KDDIは音声・電話、いわゆるFMCサービス分野のソリューションのマーケットリーダーで、中堅・中小企業市場において、確固たる販売基盤を築いている。こうした強みを持つ両社が働き方変革を促進・拡大するパートナーとして連携、協業することでシナジー効果を高め、今まで以上に、利用しやすい新たな会議サービスの創出につなげていく」と語った。

KDDI 取締役執行役員常務の東海林崇氏は協業の背景について、「働き改革において、多くの経営者は長時間労働を是正し、生産性を上げたいと思っている。そのため、ビデオ会議を活用したいと思っているが、これまでのビデオ会議は接続が難しい、音声が不安定という課題があった。Cisco Sparkは音声も高品質で安定している。今回の協業は単に営業的な協業だけでなく、音声基盤でもコラボレーションしており、au/KDDIのお得な通話料金体系を利用できる。そのため、Cisco Sparkをビデオ会議だけでなく、音声でも利用したいと思っている。それによって、PBX機器を必要とせず、フルクラウドで音声通話を提供できる。今回の協業によって、まったく新しい音声通話の世界をシスコさんとフルクラウドでつくりたいと思っている」と述べた。

また同氏は開発中の音声基盤連携の提供時期について、「7月以降できるだけ早く」と明言を避けた。

○「Cisco Spark Board」を初披露

また今回の発表会では、シスコが1月に発表した「Cisco Spark Board」を初披露するとともに、「Cisco Spark Room kit」と「Cisco Spark Room kit Plus」の提供開始もアナウンスされた。

「Cisco Spark Board」は、55インチおよび70インチの4Kディスプレイに、4Kカメラ、マイク、スピーカー、ホワイトボード、無線LAN機能が搭載されたオールインワン製品。一括買取と、サブスクリプションモデルの2つの支払い方法を用意している。価格は50万円台から。

「Cisco Spark Board」は、ワイヤレスで接続しプレゼンテーションする機能、2人で同時書き込み可能なデジタル ホワイトボード機能、資料共有機能、およびビデオ会議を提供する。シスコでは今後、これらに音声基盤も提供し、「Cisco Spark」をコラボレーションスイートからコラボレーションプラットフォームへと進化させようとしている。

4月13日から提供を開始した「Cisco Spark Room kit」と「Cisco Spark Room kit Plus」は、5Kのカメラ、マイク、スピーカーを組み込んだビデオ会議専用製品。「Cisco Spark Room kit 」は5-6人程度まで、「Cisco Spark Room kit Plus」は15人程度の会議まで対応する。価格は50万円台から。

シスコシステムズ 執行役員 コラボレーションアーキテクチャ事業担当 アーウィン・マッティー氏は「Cisco Spark Board」の提供について、「シスコは13年前からコラボレーション事業を始めたが、ポートフォリオが揃い、働き方改革に貢献できるようになってきた。現在は会社よりも自宅のIT環境がすぐれているが、理由は自宅のほうがモバイルやクラウドが浸透し、簡単に使える環境になっているからだ。シスコの戦略は『自宅の環境を企業へ』だ。それには、クラウドと統合した付加価値の高い製品を提供することだ。本日、ようやく見える形でそれを提供できる」と述べ、「Cisco Spark Board」の販売目標として年度内2万台を掲げた。

(丸山篤)