富士フイルムが培ってきた階調豊かな色再現を中判サイズのミラーレスで実現したGFX 50S。4月21日から個展を行なう中村成一氏にその魅力を聞いた。
写真:中村成一

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「中村成一 GFX 50S 発売記念個展『dewy』」出展作品より
レンズ:GF120mm F4 R LM OIS WR Macro f5.6 1s RAW

中村成一が語るFUJIFILM GFX 50Sの魅力

FUJIFILM GFX 50Sの開発に協力し、試作機からテスト撮影を繰り返してきた中村成一氏。4月21日からはGFX 50Sでの展覧会も予定しており、インタビュー時はそのための作品を制作中だった。撮影の中で感じたGFX 50Sの魅力を語ってもらった。

──富士フイルム初の中判ミラーレスですが、色再現はどうでしたか?

中村 やっぱり最高でしたね。富士フイルムらしい表現をしてくれます。フィルムメーカーとしての技術と伝統が、フィルムシミュレーションモードに活きている。銀塩の時代から撮ってきた人間としても、ナチュラルに受け入れられる画像です。中判の恩恵として、1画素の面積の大きさが光の取り込み量に反映して、豊富な階調を再現してくれる。特にシャドウ部、ハイライト部のレンジの広さは素晴らしい。

──フィルムシミュレーションの実用性は?

中村 商品撮影の場合、色味を正確に出さなくてはいけないので、RAWで撮っておく必要がありますが、作品撮りやイメージ撮りではフィルムを選ぶようにモードを選べます。

「PROVIA」などはとても安定していて使いやすく、「MONOCHROME」はかなりナチュラルな仕上がりでした。何よりjpegが非常にしっかりしている。低圧縮の「SUPER FINE」では、jpegなのに約36MBもあり、高品質です。RAWから持ち上げなくても、適正露出であれば、A2サイズまで耐えられます。

──高感度特性はいかがでした?

中村 試してみましたが、ISO6400ぐらいまで破綻なく使えました。いざというときは有利ですね。上質な画質を保ちつつ、長時間露光や高感度でも画像が破綻しないので、新しい表現領域を広げてくれると感じています。

──操作感も気になるところです。使ってみてどうでしたか?

中村 初めて持ったときは驚きました。ミラーレスとはいえ、中判をここまで軽量化してくれたのは嬉しいですね。GFX 50Sは、確かに富士フイルム初の中判ミラーレスですが、これまでのXシリーズのノウハウをしっかり反映しています。なので、Xシリーズユーザーは、違和感なく馴染めると思いますよ。

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「CP+2017」出展作品より

レンズ:FUJINON GF63mm F2.8 R WR f4 1/40s RAW

モデル=宮 泉(MOCモデルエージェンシー)/HM=Luna Yoshikawa

──EVFや背面モニタのタッチパネルは、プロの現場で使えそうですか?

中村 EVFは大きくて見やすい。絞りやシャッター速度の設定結果がEVF画面に反映されるのが特に便利です。上の作品は定常光の長時間露光で撮影しているのですが、いちいち撮ってみなくても、EVFでピントの深さを確認できる。ライティングを細かく調整して仕上げていく私のような撮影には最適でした。

タッチパネルも使ってみると便利ですよ。拡大してピントを確認するとき、いちいちダイヤルを回さなくてもタッチですむ。スチルライフの撮影では頻繁にピントの確認をします。でも、テザーを使ってモニタで確認するのは、視線移動が面倒なんですよ。特に小さい物撮りだと、見る角度で反射なども変わりますから、なるべく視線を変えたくない。視線をあまり動かさずに、カメラの液晶でさっと拡大して、ピントを確認できるのは非常に便利。それに私は水を使った俯瞰の撮影をよくするので、背面モニタがチルト式なのも、意外と使い勝手がいい。

──最後に、全体的な印象を聞かせてください。

中村 なにより富士フイルムが、プロの現場でも使えるハイエンドな中判ミラーレスを出してくれたことが嬉しいです。性能面、使用感ともに問題ないです。富士フイルムらしい画作りを中判サイズで体感できる。個人的にも撮影の幅を広げようとしているので、このGFX 50Sは大きく活躍してくれるはずです。

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「ILFORD Masters Photo Exhibition vol.2」出展作品より

レンズ:FUJINON GF63mm F2.8 R WR f4 1/50s SUPER FINE MONOCHROME

モデル=宮 泉(MOCモデルエージェンシー)/HM=Luna Yoshikawa
写真展情報

FUJIFILM SQUARE 開館10周年記念写真展
中判ミラーレスデジタルカメラ「FUJIFILM GFX 50S」
中村 成一写真展「dewy(デューイー)」


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FUJIFILM GFX 50Sの発売と、フジフイルムフォトサロンが六本木に移転して10周年を記念して行われる個展。GFX 50Sが実現した高画質をハイクオリティな作品でアピールする。


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FUJIFILM GFX 50S
小型軽量化を実現した富士フイルム初の中判ミラーレスカメラ

なかむら・せいいち
資生堂宣伝制作部において20年に亘り広告制作や『花椿』等の撮影に携わる。2006年独立後、中村写真事務所設立。電通賞部門賞、朝日広告賞、ADC賞、年鑑日本の広告写真優秀賞他受賞。APA会員。2008年より写真館創生塾講師。武蔵野美術大学非常勤講師。
www.nakamura-objectif.jp/

※この記事はコマーシャル・フォト2017年4月号から転載しています。