アマゾンに対抗、インドEC市場で続く競合各社の統合

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インドの電子商取引市場では、競争がますます激化している。これは、アマゾンにとっては朗報といえることではない。さらに、競合各社が「巨大な」アマゾンに対抗するためのさまざまな策を打ち出している。

インドの電子商取引最大手フリップカートは先ごろ、米マイクロソフトとイーベイ、中国のインターネットサービス大手の騰訊控股(テンセント)から14億ドル(約1520億円)を調達。一方でイーベイ・インディアを2億ドルで買収した。

フリップカートはここ1年半ほど、経営幹部の流出や評価額の下落などに苦しんでおり、新たな資金調達にも影響が出ていると考えられていた。だが、今回の資金調達の実現と、出資した企業の顔ぶれを見れば、各社がそろってアマゾンと戦うために力を結集しようとしている様子がうかがえる。

今回フリップカートに出資を決めた3社はいずれも、電子商取引でアマゾン、中国最大手アリババと競合する関係にある。アリババもまた、決済ビジネスを手掛けるインドのスタートアップ企業、ペイティーエム(Paytm)とインターネット通販大手スナップディール(Snapdeal)への投資を通じて、同国の電子商取引ビジネスに進出している。スナップディールの株主であるソフトバンクは、アリババの大株主でもある。

統合は加速

インドの電子商取引大手3社(アマゾン、フリップカート、スナップディール)の市場シェアは現在、合わせて75%近くに上っている。小規模企業が割り込み、競合する余地はほぼ残されていない。

フリップカートのイーベイ・インディア買収を受けて、現在シェアでは三番手となっているスナップディールも、買収する企業を物色しているとうわさされる。一方、資金調達を実現したフリップカートは今後、相乗効果は大きいと見込みスナップディールの買収を検討する可能性がある。両社はいずれも現在のところ、アマゾンとの競争に効果的な策を打ち出すことに苦労している。

イーベイがフリップカートとスナップディール両社の株式を保有することになったことから考えても、両社の合併は投資家であるイーベイの利益になるといえるだろう。インドで競合する電子商取引各社が統合を進める傾向は、今後2〜3年にわたって続くとの見方もある。

アマゾンへの影響は

アマゾンの国際事業部門は2016年、売上高が前年比86%増を記録した一方で、営業損失が84%増となった。同部門がアマゾン全体の売上高に占める割合は32%。損失に占める割合も31%となっている。

インド電子商取引市場でアマゾンを除くトッププレーヤーたちが ”結集”するとなれば、覇権争いに決着が付くまでの期間はこれまで予想されてきた以上に長くなるかもしれない。アマゾンがインド事業に見込んでいる損益分岐点への到達時期が、遅れることもあり得る。国際事業全体にも、影響が及ぶ可能性もある。