アリ。仏パリの展示会場で(2013年10月10日撮影、資料写真)。(c)AFP=時事/AFPBB News

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【AFP=時事】アフリカに生息する、シロアリの強力な天敵のマタベレアリ(学名:Megaponera analis)は、傷ついた仲間の兵隊アリを救助し、巣まで運んで「手当て」をすることが、12日に発表された最新の研究結果で明らかになった。

 独ビュルツブルク大学(University of Wuerzburg)バイオセンターの研究チームが米科学誌「サイエンス・アドバンシズ(Science Advances)」に発表した論文によると、負傷した仲間に対するこの種の救助行動を昆虫界で確認できたのは、今回が初めてだという。

 アフリカのサハラ(Sahara)砂漠南部に広く分布しているマタベレアリは、1日に2〜4回、長い列を成してシロアリの巣を急襲し、働きアリを捕食する。

 だが、この攻撃では、働きアリを守っているシロアリの兵隊アリからの強い抵抗に遭う。シロアリの兵隊アリは強力な顎を持っているため、戦闘中にマタベレアリを殺したり、傷つけたりする。

 マタベレアリが、これまで昆虫界では知られていなかった救助行動をするようになった背景には、これらの攻撃から受ける損失を最小限に抑える目的があると考えられる。

 戦闘中に傷を負ったマタベレアリは、救助信号となる化学物質を分泌して、仲間に助けを求める。

 傷ついたアリは、巣へと運ばれ手当てを受ける。その多くは、アリにまだ食らいついたままのシロアリをはぎ取ることなどだと、論文の執筆者らは説明した。

 論文の共同執筆者、エリック・フランク(Erik Frank)氏は、社会性昆虫にとっては通常、一匹一匹の個体にはほとんど価値がないと指摘する。

 だが、マタベレアリの場合は「明らかに、救助活動に労力を投じることが、コロニー全体に良い結果をもたらしている」と研究チームは述べている。
【翻訳編集】AFPBB News