あなたはどう?「ストレスを溜めやすい人」の思考グセ

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“傷のように目に見える”、“骨折のようにレントゲンで画像に映せる”、それができないのがストレスです。新生活が始まり、環境の変化などで当の本人ですら気が付かないうちにストレスをため込んでしまう、なんてことはよくあります。

ストレスを溜めやすい人とそうでない人との違いはなんでしょうか? 筆者がこれまで行ってきたカウンセリング、その中でみてきたストレスを溜めやすい方によくあることとして、“ 考え方 ”にいくつかの傾向や特徴がありました。

そこで今回は心理カウンセラーの筆者が、ストレスを溜めやすい人の思考グセ3つとオススメの考え方をご紹介したいと思います。新年度が始まったのに最近疲れてるかも?なんて方は、この機会にチェックしてみてください。

1:物ごとを先読みしすぎる

まだ起こっていない先のことに不安や怒りを感じる人。出来事に対しての結論が飛躍をしている、つまりまだ不確実で根拠のないことでも思い込みで一方的にカッとしたり、または自分を責めたりするような方が当てはまります。

このように自分の頭の中でグルグルとストーリーを進ませて先読みをしてしまう方というのは、往々にして頭の回転が早い人に多いようです。結論を急ごうとするあまり、未達や上手くいかないことに対してイライラし、よりフラストレーションを溜めてしまいます。

またこのような方によくあるのが、先のことをあれやこれや想像しすぎて不安になるということ。それもまたストレスを生む原因といえます。“結論を急がず、また勝手な想像で一喜一憂しない”、そんな心掛けが大切です。

2:パーフェクト主義

何ごとも完璧にこなそうとする、完璧でなければ気が済まない。そんな考えや想いが強い方はストレスを溜めやすいといえます。というのも、このような考え方の持ち主はグレーゾーンがないので「これぐらいでよしとしよう」という寛容さに欠け、ジャッジが厳しくつい自分を追い込んでしまうからです。

こと仕事に関していえば、普通の人であれば許容範囲の出来を不出来と考えてしまいますので、業務の進捗などに対してストレスを抱え込みがちです。

誰しも“こうありたい”という理想を持っています。その理想が全て叶えられたのならどんなに素晴らしいことでしょう。ですが当然それらを完璧にこなし、叶えられるのは実際のところ難しいもの。何ごとも全てを完璧に満たそうとぜず、「これぐらいでいいかな」と適度なところで終わらせる。そんな考え方にシフトできればストレスの軽減になります。

3:利他的、献身的な考えが強い

常に周りへの気遣いができる。これだけ聞くと世話好きのいい人のように聞こえるかもしれませんが、あまりに他人に対して献身的すぎるのもまたストレスの原因になってしまいます。利他的に他人を思いやるばかりに頑張りすぎてしまう、そして自分の感情を抑えることが当たり前になってしまう。そうなれば当然ストレスフルになります。

このような方は感受性が強く人のためにと考える一方で、逆に自分は人に頼るのが苦手だったりします。だから「わたしがなんとかしないと」と頑張りすぎてしまい、仕事でも家庭でもひとりで色々なことを抱え込んでしまいがちです。他人に頼る自分を認められるようになることで、ストレスの軽減に繋がります。

わたしたち人間は見たり聞いたり、目の前の出来事やそれを通して得られた体験から、心的な様々な影響を受けて生きているもの。それらの中から思考も出来上がってゆくわけですから、逆に言えばやったことのない、新しい体験をしてみると思考のクセも変わっていきます。

今の自分から変わりたいなと感じている人は、未体験のことへ積極的にチャレンジすることでも、思考をアップデートしていけるはずですよ。

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※ Andrzej Wilusz / Shutterstock

【筆者略歴】

大間 秀章

大学や企業を対象に専任カウンセラーとして従事する傍ら、執筆活動も行っている。専門分野は人間関係、恋愛、キャリア、メンタルヘルス、人生論。保有資格は産業カウンセラー、気象予報士 など。