カルテは重要な個人情報とみなされる

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製薬会社のバイエル薬品(大阪市)の社員が服薬アンケートに回答した患者のカルテを無断で閲覧していたとする報道が相次ぎ、2017年4月10日に同社が公式ウェブサイト上で事実を認めるコメントとお詫びを発表した。

カルテは重要な個人情報とみなされ、本人以外への開示や取扱いに関しては厚生労働省によってガイドラインが定められている。

ライバル社の薬を調査するため

バイエル薬品の発表によると、同社が製造販売する血栓症治療薬「イグザレルト」の販売前に、同様の他社製治療薬を服用している患者への聞き取り調査を実施。服薬に関する嗜好を確認するためだったが、調査に協力した患者のカルテの一部を同社の社員が不適切に閲覧していたという。

無断閲覧の事実を厚生労働省に内部告発した社員は同日放送されたJNNニュースの取材の中で、上司から命令されライバル社の薬の使用実態を知るため200人分のカルテを書き写したと証言。中にはがんや認知症といった血栓症とは無関係な個人の病歴情報なども多数含まれていたという。JNNは調査に協力した医師が患者に無断でカルテを提供していた可能性も指摘している。

調査結果は医学誌に発表されていたが、情報収集の仕方に不明点があることや、調査にバイエル薬品が関与していることを明らかにしていなかったため、2016年1月に医学誌に取り下げられていた。

塩崎恭久厚労相は、4月11日に行った会見の中で「極めて遺憾」とコメント。厚労省としてバイエル薬品に対し状況説明を求めるとともに事実関係の確認を進め、何らかの処分を下すことを明らかにしている。