厳しい労働環境改善に必要なのは?

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 ネット通販の隆盛によって、仕事量が増えている宅配業界。ところが、荷物が急増し人手不足が深刻なため、絶好調とは言いがたい経営環境だ。経営コンサルタントの大前研一氏が、宅配業界の厳しい環境改善のために、効果的な方法を提案する。

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 すでに宅配業界の勝負はついている。ヤマト運輸の独り勝ちである。ということは、それだけ業界に歪みが生まれているということだ。長時間労働や人手不足、交通渋滞、違法駐車といった宅配会社が抱える問題解決のためには、まだやるべきことがある。

 まずは、すでに検討されている「値上げ」だ。カルテルや独占禁止法との兼ね合いが難しいが、最大手のヤマト運輸が主導して可能な限り値上げすべきである。

 次に、普通の荷物では細かい配達時間指定や即日配達をやめるべきだ。時間指定サービスを継続するなら、時間帯を見直すだけでなく、メールやSNSなどを使ってユーザーと配達時間を打ち合わせるという方法を拡充しなければならない。

 さらに、ユーザーが在宅していなければ成立しない「代引き(代金引換)決済サービス」も原則廃止すべきだと思う。

 もし継続するなら、ドライバーがお釣りを用意しなければならない現金や面倒なクレジットガードによる代引きではなく、「Suica」「PASMO」などの交通系ICカードや「Alipay」「WeChat Pay」などのモバイル決済サービスを利用できるようにすべきだろう。

※週刊ポスト2017年4月21日号