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■どんなクルマ?

エンジン・ラインナップを復習

小型プレミアムSUVを好感する向きは、ちょっと耳を貸して欲しい。聞いていただきたいことがある。

そして、あなたが、今週末、メルセデス・ベンツGLAの購入を決める最後の一手を下すつもりなら、ちょっと待って欲しい。これが冒頭における、われわれAUTOCARのメッセージだ。

エンジン・ラインアップは以下のとおり。

・200d(2.1ℓ4気筒ターボ・ディーゼル、136ps)
・220d(2.1ℓ4気筒ターボ・ディーゼル、177ps)
・200(1.6ℓ4気筒ターボ・ガソリン、156ps)
・250(2.0ℓ4気筒ターボ・ガソリン、211ps)
・AMG GLA45(2.0ℓ4気筒ターボ・ガソリン、381ps)

テストした200dは、英国では伝統的に最も売れ筋のモデルであり、今後もそうであり続けるであろう。メーカー公表の燃費と排出ガスは23.8km/ℓと110g/kmである。

2017年モデル、どう変わった?

本年モデルの変更点は、新しい意匠のフロント・グリル、ヘッドライト、バンパー、そしてインテリア・トリムである。加えて、アルミ・ホイールの選択幅も増え、新色(キャニオン・ベージュ)も追加された。

全てのGLAには、キーレス・エントリー・スタート機能、バック・カメラ、30mmリフトするオフロード・コンフォート・サスペンションが標準で装備され、Apple CarPlayとAndroid Autoに対応する。

メルセデス・ベンツの強力なブランド・イメージとGLAの都会的な外観をもってすれば、その好調な販売台数に納得であろう。

しかし、これまでのGLAの乗り心地と快適性は、そのバッチに相応しいとは言えなかったことも事実だ。

今回のテストで探りたいのは、アウディQ3やBMW X1と比較して、この新型GLAがどのくらいその差を詰めたかである。

■どんな感じ?

乗り心地、あれ……

英国で販売されるGLAは30mm車高を上げることができるサスペンションが組みあわせられるが(AMGのスポーツ仕様を採用するGLA45を除く)、ブダペストでテスト用に用意されたクルマのどれにもそれは装備されていなかった。

代わりに£595(8万円)の調整機能付きダンパーが付いていたが、それらはAMGラインにのみ装着が可能だ。

というわけで、テスト車の200dの乗り味は、あまり実用的ではなかった調整機能付きダンパーが付いた旧モデルとの比較であまり変わったところはない。

コンフォート・モードで悪路を乗り越えた時に、安定性を欠く。スポーツ・モードを選択することで、これは幾分軽減されるが、逆に乗り心地が犠牲になる。

コンフォート・モードでは、ステアリングの操舵力が極めて軽く、スポーツ・モードでは、逆に重すぎる。どちらのモードでもドライバーへのフィードバックは乏しい。

一方、縦のグリップは高い水準にあり、4MATICと呼ばれる4輪駆動システムは雨天でも良好なトラクションを確保している。

しかし、積極的な旋回性能をみせることはなく、カーブでは面白味のないキャラクターが見え隠れする。しかし、英国仕様のクルマに乗るまでは最終的な評価は下さないでおこう。それまでに改善される可能性もあるからだ。

2.1ℓディーゼル・エンジンはどうだろう?

2.1ℓディーゼル・エンジンは、特筆するほど速くはないが、燃費と1500rpm以下から始まる広い定用域を考えると「ほどよさ」が売りである。7速トランスミッションとの相性もいい。

しかし、高回転域での騒音と振動は、この速度域では風切音と走行音も伴うこともあって、不快である。

内装はよくなったが、ライバル未満

クローム・トリムを導入するなどして、メルセデス・ベンツはGLAのインテリアの改善を図ったが、その品質はQ3のそれと同水準とは言い難い。

たしかにインテリアは目を引くものとなったが、広く使われるプラスティック製の部品が全体的な雰囲気をQ3よりも安っぽくしている。

しかし、エントリー・レベルにあたるSEグレードでは7.0インチ、それ以上のグレードでは8.0インチのカラー・インフォテインメント・システムに、死角はない。

グラフィックがシャープなうえ、シンプルなメニュー構成で、感覚的に操作できるApple CarPlay/Android Autoにも対応している。

つづいて収容力について。GLAの外寸は不変であり、それはライバルと比較して居住空間の欠如を意味する。大人がQ3とX1、どちらの後部座席に乗っても、十分な膝のスペースがあるが、GLAのリア・シートには賢く使えるスライドやリクライニング機能がない。

トランク・スペースの開口部は狭いが収容能力はそれなりに高い。

■「買い」か?

急いでいないならば、フル・チェン待つべし

あなたがGLAを購入しなければならない立場なら、200dが最も理にかなった選択である。

妥当な値付け、柔軟性と経済性を持ち合わせ、AMGラインと比較しても、充実した装備とインフォテインメント・システムを搭載するこのモデルは、コスト・パフォーマンスに優れているといえるだろう。

しかし、あなたとほとんどのクルマの購入希望者がそうであるように、単に小型プレミアムSUVを探しているのであれば、GLAへ施された今回のフェイスリフトは、GLAのランキングを上げるものではない。

そのスタイリングの虜になったとか、伝統的なメルセデス・ベンツのファイナンス・プランに魅力を感じるというのなら別だが、トップ・レベルのハンドリングや乗り心地はGLAとリンクしない。

たしかにインテリアの品質は改善したが、ファミリーカーのスペースと機能性を考えるなら、他を当たった方がよさそうである。

メルセデス・ベンツGLA200d 4MATIC

■価格 £31,630(432万円) 
■最高速度 200km/h 
■0-100km/h加速 9.1秒 
■燃費 20.0km/ℓ 
■CO2排出量 130g/km 
■乾燥重量 1595kg 
■エンジン 直列4気筒2143ccターボ・ディーゼル 
■最高出力 136ps/3200-4000rpm 
■最大トルク 30.6kg-m/1400-3000rpm 
■ギアボックス 7速デュアル・クラッチ