トランプ政権には空中分解のリスクも Reuters/AFLO

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 米国のドナルド・トランプ政権は、早くもボロボロになってきた。世界を振り回してきたトランプ政権が自壊する可能性をジャーナリストの落合信彦氏が指摘する。

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 アメリカ国内でのトランプ批判は高まる一方だ。特に問題視されているのは、親族や側近のスキャンダルだ。

 例えばトランプの長男、ドナルド・トランプ・ジュニアがロシアと友好的なシンクタンクの会合出席で、少なくとも5万ドルを受け取ったことがウォール・ストリート・ジャーナルに報じられた。トランプ・ジュニアは、パリのホテルで開かれたシンクタンク主催の晩餐会で講演。そのギャランティーが5万ドル以上だったというのだ。

 講演によって濡れ手で粟の高額報酬を受け取るのは、トランプが口汚く攻撃していたヒラリー・クリントンのやり方そのものである。それをトランプ・ジュニアがやっていたのだから、批判されるのも当然だ。

 トランプの娘婿で大統領上級顧問を務めるジャレッド・クシュナーの疑惑も持ち上がっている。司法長官のジェフ・セッションズが大統領選期間中に駐米ロシア大使と接触していたことが判明して辞任を求める声が高まったが、クシュナーも同じロシア大使と会っていたのである。トランプ政権とロシアとの関係の深さが、明らかになりつつある。

 さらに、副大統領のマイク・ペンスは、もっと大きな爆弾を抱えていた。ペンスは2013年から副大統領になる直前までインディアナ州知事を務めていた。その知事時代に、私用メールアドレスを使って公務に関わる情報を送受信していたことが明らかになったのだ。しかも、その私用メールアドレスは昨年ハッキングされていて、情報が外部に漏れた可能性があるという。

 トランプとペンスは、大統領選でヒラリーの「メール疑惑」を繰り返し批判していた。ヒラリーが私用メールアドレスを使っていたことで国家機密が漏洩した疑いがあるとして、FBIまで捜査に動いた。あのヒラリー批判キャンペーンが、トランプの腹心にブーメランのように返ってきたのだ。

 今後も親族や側近のスキャンダルは相次ぐだろう。大統領補佐官のマイケル・フリンが駐米ロシア大使と通じていたことを批判されて早々と辞めたように、トランプ政権は「辞任ドミノ」に見舞われて、いつ空中分解してもおかしくない。

※SAPIO2017年5月号