米首都ワシントンのホワイトハウスで開かれた定例記者会見で記者の質問を聞くショーン・スパイサー大統領報道官(2017年4月11日撮影)。(c)AFP=時事/AFPBB News

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【AFP=時事】ショーン・スパイサー(Sean Spicer)米大統領報道官は11日、シリアのバッシャール・アサド(Bashar al-Assad)大統領が行っている残虐行為に比べればアドルフ・ヒトラー(Adolf Hitler)によるホロコースト(Holocaust、ユダヤ人大量虐殺)の方がまだましだったと考えているとも受け取れる発言をして厳しい批判を浴び、謝罪に追い込まれた。

 スパイサー報道官はホワイトハウス(White House)での定例記者会見で、アサド政権がサリン神経ガスを使用したとみられる民間人への攻撃を非難。その際ホロコーストで大勢のユダヤ人がガス室で殺されたことを忘れたのか「さすがに化学兵器を使うところまでは落ちなかったヒトラーと同じくらい見下げ果てた人物がいる」と述べた。

 その発言に驚いた様子の記者団から詳しい説明を求められたスパイサー氏は「私が思うに、サリンガスということについて言えば、彼(ヒトラー)はアサドが今やっているのと同じやり方では毒ガスを自国の市民に使わなかった」と述べた。

 1人の記者が「ホロコーストはどうなんですか?」と叫ぶとスパイサー氏は「ああそうか、なるほど…ありがとう、本当にありがとう」と述べ、ヒトラーは「彼ら(ユダヤ人など)をホロコーストセンターに連行した。それは私も分かっていますよ。しかし私が言いたかったのは、アサドは化学兵器を街…罪のない…街の真ん中に落として使っているということでした。指摘してくれてありがとう。そんな(ホロコーストを矮小(わいしょう)化する)つもりはなかったんです」と話した。

 ユダヤ教の「過ぎ越しの祭り(Passover)」が行われている最中の発言に対し、ユダヤ人団体や民主党議員からは再びスパイサー報道官の辞任を求める声が上がった。下院民主党トップのナンシー・ペロシ(Nancy Pelosi)院内総務は「ショーン・スパイサーを辞めさせ、大統領は彼の発言をすぐに否定すべきだ」と非難した。

 批判の高まりを受け、スパイサー報道官は記者会見の数時間後に米CNNで「ホロコーストについて誤って不適切で無神経な発言をした。(ホロコーストと)比べられるものはない」と語り、今回の発言について「謝罪する。あの発言をしたのは誤りだった」と述べた。
【翻訳編集】AFPBB News