新生児の手に触れる母親の指。フランス北部ランス(Lens)の病院にて(2013年9月17日撮影、資料写真)。(c)AFP=時事/AFPBB News

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【AFP=時事】英高等法院は11日、回復の見込みのない病気に侵された乳児について、治療のために米国に連れて行きたいと両親が希望しているにもかかわらず、医師らが乳児を「尊厳死」させることができるとの判決を下した。

 ニコラス・フランシス(Nicholas Francis)判事は、生後8か月の男児チャーリー・ガード(Charlie Gard)ちゃんに対して英ロンドン(London)で行われている延命治療を終わらせるべきだという判決を下した。同判事は「極めて心が重い」が「完全な確信」を持って判断したと述べた。

 チャーリーちゃんは、まれな遺伝子疾患を発症しており、脳に損傷を負っている。裁判所から助言を求められた専門家らによると、チャーリーちゃんがこの状態から回復する見込みはないという。

 裁判官から判決が下された瞬間に「ノー」という悲鳴が上がり、母親のコニー・イエーツ(Connie Yates)さんと父親のクリス・ガード(Chris Gard)さんは判決が言い渡されている間、すすり泣いていた。

 チャーリーちゃんの延命治療を行っている英グレート・オーモンド・ストリート病院(Great Ormond Street Hospital)の専門医らは、生命維持装置を外すことの合法性を認める判決を下すよう裁判官に求めていた。

■両親は上訴を検討

 病院のチャーリーちゃんの元に見舞いに訪れていたフランシス判事は判決の中で、チャーリーちゃんとその家族に提供された「並々ならぬ配慮と介護」に対して、病院スタッフを称賛した。

 フランシス判事は「何よりもまず、チャーリーちゃんのために勇敢で威厳のある活動を行ってきたことに対して、ご両親に感謝の意を表したい。そして何にも増して、お二人の素晴らしい男の子に対する、お二人の絶対的な献身に敬意を表したい」と述べた。

 両親は、チャーリーちゃんを米国へ連れて行き、チャーリーちゃんが発症している型のミトコンドリア病の治験を受けさせることを希望していた。

 チャーリーちゃんの治療資金として、インターネット上で8万人以上から計120万ポンド(約1億6000万円)以上の募金が集まっていた。

 チャーリーちゃんの家族の代理人によると、今回の判決によって「打ちのめされた」家族側は上訴を検討するという。
【翻訳編集】AFPBB News